鳥取県高校駅伝が1日、境港市竜ヶ山陸上競技場周辺コースで行われ、男子(7区間42・195キロ)、女子(5区間21・0975キロ)のいずれも鳥取城北が優勝し、全国高校駅伝(12月21日、京都・たけびしスタジアム京都)の出場権を獲得した。

 鳥取城北の男子は、昨年の全国高校男子駅伝で福岡・大牟田の選手として準優勝したエースの本田桜二郎(3年)、村上遵世(3年)らが今春に集団転校し、注目されたチーム。

この日、1区(10キロ)で村上が29分29秒の区間新記録でトップに立つと、独走。3区(8・1075キロ)でも本田が23分28秒の区間新記録をマークするなど、全7区間で区間賞を獲得し、2位の米子松陰に5分9秒の大差をつける2時間3分49秒で圧勝した。都大路を舞台に争われる全国大会でも優勝争いする力を見せた。

 全国高校体育連盟の規定で転校後、6か月(水泳は1年)は同連盟の主催大会に出場できない。そのため、大牟田から集団転校した2、3年生の18人は夏の全国高校総体(インターハイ)、その予選に当たる県大会や中国大会は不参加だった。

 高校生日本一を決めるレースは走ることができなかったが、日本陸連が主催するU20(20歳未満)日本選手権(9月)の5000メートルでは高校生のライバルや大学生(1年生と早生まれの2年生)と勝負して、本田が13分44秒44で優勝、村上も13分49秒98で5位と健闘した。

 10月以降、4月に転校した選手も全国高校体育連盟主催の大会に出場可能となり、鳥取県高校駅伝を制して全国高校駅伝の出場権を獲得した。7月に東海大競技会に参加した際、本田は「仲間がいるから頑張れます」と前向きに話していた。

 宮城県大会を2時間1分45秒で優勝した仙台育英、福島県大会を2時間2分58秒で優勝した学法石川、昨年覇者の長野・佐久長聖、全国高校総体5000メートル優勝の新妻遼己(3年)を擁する兵庫・西脇工(いずれも県大会は2日)、そして、鳥取城北などが都大路で激しい優勝争いを繰り広げることになりそうだ。

 ◇大牟田から鳥取城北へ集団転校の経緯 関係者の話を総合すると、昨年11月の福岡県高校駅伝に優勝し、2年連続45回目の全国高校駅伝出場を決めた後、学校側は25年度から磯松大輔監督を招へいし、実質的な監督だった赤池健ヘッドコーチ(HC)をサポート役に降格させる方針を決定。選手と保護者は反対し、撤回を求めたが、覆ることはなかった。その後、赤池氏は大牟田のHCを辞任し、鳥取城北に監督として移ることが決定。

各選手が保護者と話し合った結果、当時1、2年生(現2、3年生)19人のうち18人が赤池氏の指導を受けることを希望し、鳥取城北へ集団転校した。赤池氏の指導を希望して大牟田への入学を予定していた新入生の大半も鳥取城北へ進路を変更した。一方の磯松新監督率いる大牟田は3年生1人と1年生7人の計8人で活動。2日に福岡県高校駅伝に臨む。

編集部おすすめ