◆プロボクシング▽東日本新人王決勝戦ライト級(61・2キロ以下)5回戦 〇出畑力太郎(TKO4回3分)劉 家瑋● (3日、後楽園ホール)

 現役高校生の出畑力太郎(18)=マナベ=が圧巻のボクシングで東日本新人王の頂点に立った。4勝(4KO)1分けと無敗の劉家瑋(リュー・チャーウェイ、35)=渡嘉敷=と決勝を争い、初回から積極的にパンチを繰り出し、ロープに詰めたところで右フックで初ダウンを奪う。

そして4回、右ストレートでダメージを与えからの連打で一気にフィニッシュ。若さを武器に躍動感のあるスタイルで無敗対決を制した。

 全階級の選手の中から最も評価を得た選手に送られる最優秀選手賞(MVP)も獲得。「KOは狙っていなかったし、MVPをもらえるとも思っていなかった」と予想外のご褒美に自然と笑みがこぼれた。

 筋金入りの格闘一家に育った。父・力也さんは空手の正道会館の師範代で、重量級の大会で優勝経験を持つ。6歳から父の下で空手を学び、高校1年からボクシングをスタートした。「空手をやっていたことで、上半身が強いというのはボクシングにもいきている」と、今でも週1回は空手の練習を継続している。その父は「格闘技は厳しい世界」と息子には好きな漫画家になることを望んだが、家にあった「あしたのジョー」のDVDを見たことがきっかけでプロボクサーを目指すことになった。

 本格的にボクシングを始めて3年にも満たないが、所属ジムの真部豊会長は「とにかく冷静。練習してきたことを試合で実行できる力がある」と高く評価する。通信制の高校を来年3月に卒業予定。

その後は「ボクサー1本で。目標は大きく世界」と言葉に力を込める。大きな夢を実現するためにも、まずは目の前の全日本新人王(12月20日、後楽園ホール)に集中する。

 戦績は出畑が5勝(4KO)、劉は4勝(4KO)1敗1分け。

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