大相撲九州場所は9日に福岡国際センターで初日を迎える。03年に故郷を歌った「佐賀県」でブレイクした好角家のタレント・はなわ(49)が5日までにスポーツ報知の取材に応じ、一年納めの本場所の推し力士に、隣の長崎出身、幕内・平戸海(25)=境川=を挙げた。

中学卒業後、ひたむきな努力で番付を上げた人柄にひかれたという。東西に横綱がそろう中、大関候補の関脇・安青錦(21)=安治川=、初優勝に燃える小結・高安(35)=田子ノ浦=ら見どころ満載の土俵が待ちきれない。(取材・構成=山田 豊)

 大相撲愛が止まらない。9日の九州場所初日を前に、はなわは自身が弾くベースのようにリズム良く語り始めた。

 「(大の里が優勝した)秋場所は4日間、両国国技館で観戦した。今年は久しぶりに東西に両横綱がいることが面白い。横綱が強い場所は引き締まりますよね。(10月の)ロンドン(公演)もあって、『SUMO』が世界で盛り上がっている感じもする」

 03年に「SAGA さが[おんぷ]」のフレーズで故郷愛を歌い、九州場所は特別だ。ご当所の推し力士は即答だった。

 「長崎出身の平戸海関ですね。(三方を海に囲まれる)長崎県が唯一、隣接しているのは佐賀県。佐賀の人間は同郷みたいな感覚で長崎の力士を応援するんですよ」

 昨年名古屋場所で新三役の平戸海は178センチ、140キロと角界では決して体は大きくないが、鋭い出足と引かない取り口が魅力。

同じ2000年生まれの大の里が、日体大から角界入りしたのに対し、平戸海は中学卒業後に境川部屋に入門。15歳から地道な努力を重ねて番付を上げてきた。約2年前に長崎出身の境川親方(元小結・両国)から紹介され、親交もある。

 「性格は控えめで派手さはないけれど、きっぷのいい相撲を取る。どこか『昭和のお相撲さん』のよう。相撲を見ていても親方がじっくり時間かけて育ててきたことがわかるし、稽古をたくさんやっている。平戸海関は、自身の弟と年が(15歳)離れていて一緒に住んだことがないそう。家族がテレビを見ながら応援してくれている」

 はなわは幼少期から大相撲に熱中してきた。今も“野望”があるという。

 「千代の富士さんから大相撲を見始めて、若貴時代も熱狂していた。曙、武蔵丸、武双山が大好きだった。相撲は小学生の時に強くて、相撲取りになりたいと思っていた。

今もなりたいと思っていますよ。下手投げを、がんがん練習しています。(入門時の年齢制限の)基準が変わればね。50代でも入れるようになることを待っています」

 見どころたっぷりの九州場所へ、ウクライナ出身の21歳・安青錦、初優勝が待ち望まれる元大関の35歳・高安にも話題が及んだ。

 「安青錦関は小兵の相撲じゃない。しっかり前から当たって頭をつけていく。(前に)落ちるかと思うが落ちない。(ブルガリア出身の)鳴戸親方(元大関・琴欧洲)が話していたけど、背筋力の強さが尋常ではないのかな。日本語も流ちょうで、日本の作法や美徳も理解している。立ち居振る舞いが武士みたいで好感が持てる。大関にも近い将来、なるんじゃないかな。高安関はずっと注目している。

弟(お笑いコンビ・ナイツの塙宣之)が仲良くて紹介してもらった。食事も行ったし、結婚式も呼んでもらった。高安関の優勝を1度見たい。これは大相撲ファンの夢でもあるのかな」

 ◆はなわ 本名・塙尚輝(はなわ・なおき)1976年7月20日、佐賀出身。49歳。ベースを弾きながらの歌で注目され、2003年に「佐賀県」でNHK紅白歌合戦に出場。ほかに映画「翔んで埼玉」の主題歌「埼玉県のうた」など。身長175センチ。

 ◆平戸海 雄貴(ひらどうみ・ゆうき)本名は坂口雄貴。2000年4月20日、長崎・平戸市生まれ。25歳。中学卒業後に境川部屋に入門し16年春場所に初土俵。

21年九州場所で新十両。22年秋場所で新入幕。昨年名古屋場所で新小結。得意は突き、押し、右四つ、寄り。178センチ、140キロ。

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