12月27日にサウジアラビア・リヤドのムハマド・アブド・アリーナで行われるボクシング興行「ナイト・オブ・ザ・サムライ」に参戦する世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=、前WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=ら日本人6選手が7日、都内で会見に臨んだ。

 井上は、来年5月に東京ドームでの対戦が計画されている中谷と初めて同じ興行で競演する。

この日は中谷と並んで会見に臨み、「この興行にいよいよ出られる。世界へ向けてのアピールにもなるし、また来年の5月、ビッグマッチを予定しているが、そこに向けての大事な試合になる。自分自身、気合を入れてこの興行に向かいたい」と中谷戦も見据えて、意気込みを語った。

 9月14日の前戦は、名古屋・IGアリーナでWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を大差判定で下した。サウジでは、WBC同級2位アラン・ピカソ(25)=メキシコ=との防衛戦に臨む。ピカソの印象について「前回のムロジョン戦に続き、またピカソ仕様というボクシングを見せたいと思っている。ピカソ選手は非常に好戦的で、楽な戦いにはならないという印象を持っている」と話した。

 ここまでバンタム、スーパーバンタムの2階級で4団体統一を達成。この先、フェザー級(57・1キロ以下)級への転向か、スーパーバンタム級でのスーパーファイトかどちらを目指すか問われると、「まずひとつ言えるのは、次のピカソ戦、その先のまた一つ大きな試合。そこをクリアしてから、ひとつひとつ陣営と相談してから決めていきたい」とピカソ、中谷戦後に改めて検討する考えを示した。

 井上の年間4試合は、プロデビュー翌年の2013年以来12年ぶり2度目となる。10月6日から3日間、神奈川・小田原市での走り込み合宿を行い、ピカソ戦に向けて練習を再開している。

 対するピカソは、メキシコ最難関のUNAM(メキシコ国立自治大)で脳神経学を学び、将来は「ノーベル賞をとりたい」と語る異色の秀才ボクサー。イケメンで高い人気を誇る。今年7月の前戦では、米ラスベガスで亀田京之介(MR=当時TMK)と10回戦で対戦し、2―0の判定で勝利している。

 前WBC・IBF世界バンタム級前統一王者の中谷潤人(27)=M・T=は、スーパーバンタム級転向初戦となるノンタイトル10回戦で、WBC世界同級9位セバスチャン・エルナンデス(25)=メキシコ=と対戦する。エルナンデスは20戦全勝(18KO)の戦績を誇る右ボクサーファイターで、昨年11月に来日し井上のスパーリングパートナーを務めている。

 前WBA・WBC世界フライ級統一王者の寺地拳四朗(33)=BMB=は世界3階級制覇を目指し、IBF世界スーパーフライ級王者のウィリバルド・ガルシア(35)=メキシコ=に挑戦する。

 元東洋太平洋フェザー級王者でWBA世界スーパーフェザー級3位の堤駿斗(26)=志成=は、WBA世界同級暫定王者ジェームス・ディケンズ(34)=英国=に挑む。

 アマ10冠の前日本ライト級王者・今永虎雅(26)=大橋=はWBA世界同級4位アルマンド・マルティネス(30)=キューバ=と対戦。駿斗の弟でアマ9冠の堤麗斗(23)=志成=は、レオバルド・キンタナ(23)=メキシコ=とのプロ4戦目に臨む。

 戦績は井上が31戦全勝(27KO)、ピカソが32勝(17KO)1分け、中谷が31戦全勝(24KO)、エルナンデスが20戦全勝(18KO)、寺地が25勝(16KO)2敗、ガルシアが23勝(13KO)6敗2分け1無効試合、堤駿斗が8戦全勝(5KO)、ディケンズが36勝(15KO)5敗、今永が9戦全勝(5KO)、マルティネスが17戦全勝(15KO)、堤麗斗が3戦全勝(2KO)、キンタナが11勝(5KO)1敗。

 興行は、NTTドコモの映像配信サービス「Lemino(レミノ)」の「Lemino ペイ・パー・ビュー(PPV)配信」で国内独占生配信される。

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