歌舞伎俳優の中村橋之助(29)と元乃木坂46の女優・能條愛未(31)が結婚することになり10日、都内で婚約会見を行った。中村芝翫(60)、三田寛子(59)夫妻の長男と元アイドルの女優がゴールイン。

金屏風の前で無数のフラッシュを浴び「幸せです」と声をそろえた。夫婦役を演じた2021年のミュージカル「ポーの一族」で出会い、交際期間は4年半。来春までに婚姻届を提出し、来年初夏に都内で挙式を予定している。

 歌舞伎界では12年ぶり、約50分間にわたって行われた婚約会見は終始、幸せムードに包まれた。橋之助にエスコートされて登壇した能條の淡いピンク色の着物は、三田が34年前(1991年)の婚約会見で着たもの。何度も見つめ合いながら、質疑応答や写真撮影に応じた。

 言葉に愛があふれていた。お互いの好きなところを聞かれ、橋之助は「愛未を見ているとワクワクして幸せでいっぱい。愛未にいい思いをさせてあげて、喜ぶことを提供できる男でありたい」。能條は「熱血、正義感、猪突(ちょとつ)猛進。困っている人がいたら迷いなく手を差し伸べる優しさ。心から尊敬できる人です」。

2人とも「緊張しています」と言いながらも、幸せいっぱいに愛を表現した。

 7月のハワイ旅行でプロポーズした。橋之助は海とダイヤモンドヘッドが見えるレストランの窓際の席に能條を誘い、ロマンチックに「ひざまずいて、王子様のようにプロポーズしました」。0・7カラットのダイヤモンドをあしらったハリー・ウィンストンの結婚指輪を贈り、快諾を得た。ただ、その直前には思わぬハプニングも。ドレスコードがあることに気付き「全力ダッシュで革靴と長ズボンを買いに行きました」と明かした。

 橋之助は今年から花形役者の登竜門「新春浅草歌舞伎」で座頭を担っているが、歌舞伎界ではまだ修業の身。「真ん中に立てる役者になれるのか、焦り、不安もある」。それが能條と一緒に過ごすことで「伴侶を得ることで、力になるんじゃないか。責任のある立場を任されるようになり、自信を持たないといけない」と自分を奮い立たせ、プロポーズを決断した。

 能條は女優として舞台を中心に活躍しているが、今後は「第一優先で夫のサポートをしていきたい。梨園の妻として着物の着こなし、決まりごとを学んでいけたら」。

子供についても「授かることができましたら、2人、3人。にぎやかな家庭になったらいいな」と思いを語った。(有野 博幸)

 ◆中村 橋之助(なかむら・はしのすけ)本名・中村国生(くにお)。1995年12月26日、東京都生まれ。29歳。中村芝翫、三田寛子夫妻の長男。2000年9月、東京・歌舞伎座で本名で初舞台。16年10月、歌舞伎座で4代目中村橋之助を襲名。屋号は成駒屋。

 ◆能條 愛未(のうじょう・あみ)1994年10月18日、神奈川県生まれ。31歳。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。

14年に映画「死の実況中継」に主演。18年にグループを卒業。趣味は歩くこと、料理。特技はタップダンス。愛称はジョーさん。

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