女優・倍賞千恵子、俳優・木村拓哉が12日、大阪市北区の大阪ステーションシティシネマで映画「TOKYOタクシー」(21日公開)の舞台あいさつを山田洋次監督とともに行った。

 13日は木村の53歳の誕生日。

木村が劇中で運転する「宇佐美タクシー」をかたどったバースデーケーキをサプライズで登場させた倍賞は、ピンクのラメがきらめくカチューシャを頭につけ、84歳とは思えない美声で「ハッピー・バースデー・ディア・木村く~ん」と歌もプレゼントした。すると木村も熱いハグで応えた。

 それぞれ大阪への思いも語った。倍賞は1961年の「斑女」で映画デビュー。「大阪から家出してきたキャピキャピの女の子。スチールは大阪城のお堀の砂利道だったので走りにくい。速く走れなくてカメラマンさんに怒られた記憶があります」と振り返り、女優人生のルーツの地で「楽屋でいただいたたこ焼きがおいしかった」と笑顔を見せた。

 木村も大阪がルーツのひとつという。「幼少期に葛飾柴又にいた事実もあるんですけど、箕面(大阪府)にもいたんです。こちらの皆さんのコミュニケーションを耳にしても、自分の中に入ってくるというか」と大阪弁が心地よいようだ。「あとは大阪城ホール。グループの時も個人でも、大阪は非常に盛り上がるんですが、その代わりMCにはものすごく厳しいです」とSMAP時代から“オモロいこと”を言わないと許さないナニワっ子に鍛えられた思い出を語った。

 山田監督も大阪・豊中生まれ。「一応大阪出身なんですよね。小さいときに満州に行っちゃったから」。同地で空を見上げて、標準語の「ゆ“き”が降ってきた」ではなく「“ゆ”きが降ってきた」と発音して冷やかされたという。「そんな風なご縁ですが、今ここで大いばりで大阪出身と申し上げています」と明かして笑わせていた。

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