大相撲 ▽九州場所7日目(15日、福岡国際センター)

 西十両4枚目で元大関の朝乃山(31)=高砂=が約1年4か月ぶりに幕内の土俵に上がり、西前頭14枚目・時疾風を寄り切った。

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 朝乃山は小兵・時疾風に右肩から当たり、前に出ながら右を差して、左上手を取って寄り切った。

初日から連敗した時には「力が落ちたかな」と思った。3日目から5連勝しているものの、力の差を感じさせる相撲が少なくなった。横綱候補と騒がれた実力者が十両で必死にもがいているという印象だ。

 縁がないわけではない。コンプライアンス違反で2021年の名古屋場所から6場所の出場停止処分を受けた時、事情聴取をしたのがコンプライアンス部長の代理を務めていた私だった。昨年、朝乃山が左膝手術を受ける前日に都内の病院でバッタリと会ったりもした。

 私は心から「もう一度、幕内上位まで戻ってきてほしい」と思っている。かつては立ち合いからの馬力で相手を圧倒。簡単に右を差すことができた。馬力は稽古で戻すしかないのだ。それをファンも私も心から願っている。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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