◆ONE「ONE 173 スーパーボン VS 野杁」(16日、有明アリーナ)

世界最大の格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」は16日、有明アリーナで「ONE 173 スーパーボン VS 野杁」を開催した。

 元K―1世界3階級制覇王者の武尊がデニス・ピューリック(カナダ/ボスニア・ヘルツェゴビナ)との再起戦に勝利した。

 武尊は今年3月の「ONE 172」では、ロッタン・ジットムアンノンに1ラウンドKO負け。今回が8か月ぶりの再起戦となる。また7月29日に俳優の川口葵と結婚を発表。結婚後、初の試合になった。

 対戦相手のピューリックは、強打とタフネスを武器にONEで存在感を放つ実力者。2024年6月の「ONE 167」では、ロッタンとフルラウンドの激闘を展開し判定で敗れたがその実力を証明している。

1ラウンドに武尊は、左から右フックでダウンを奪った。さらに終了間際にもパンチのコンビネーションで2度目のダウンを奪い試合を支配した。2ラウンドもローキックでダウンを奪うと最後はパンチの連打でレフェリーが試合を止めTKOで勝利した。

 試合後のリングで「ONE」日本大会で初勝利に涙を流し喜びを表した。「前回1ラウンドで速攻、負けちゃって、世界中のファンの人を裏切ったと思ったんで…今回死ぬ気で絶対勝つつもりで練習してきた」と声を震わせた。インタビュアーからロッタンとの再戦への思いを聞かれると「その前に一個だけ…」と意を決すると「僕は次の試合で現役引退します」と電撃表明した。

続けて「武尊ってみんなの期待を絶対に裏切らない試合をしてきたと思います。僕は現役最後まで裏切らないので、もし受けてくれるなら最後にロッタン選手と戦って、みんなの期待を裏切らない試合をして」とラストマッチの対戦相手にロッタンを指名した。

 ロッタンは今大会でフライ級ムエタイ世界王座戦でノンオー・ハマ(タイ)と対戦する予定だったが体調不良のため、欠場した。リングサイドで武尊の試合を見守った宿敵に武尊は「ロッタン選手、僕の最後の試合お願いします」と直訴。これにロッタンは、「私でよければやります」と応じていた。数々の伝説を築いてきた34歳。最後のリングで人生をかけた一大勝負に出る。

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