◆第105回全国高校ラグビー大会▽大阪第1地区決勝 東海大大阪仰星80―5近大付(16日・花園)

 大阪3地区の決勝が行われ、第1地区は昨冬花園で準優勝の東海大大阪仰星が、計12トライを奪い近大付に大勝した。183センチ、90キロの大型WTB山本健剛(2年)が先制を含む3トライ。

7大会連続25度目の聖地で、V奪回へのキーマンとなる。第2地区は常翔学園が2大会連続43度目、第3地区は大阪桐蔭が5大会連続19度目の出場。大阪代表3校は前回と同じ顔ぶれで、12月27日からの全国大会に臨む。

 覇権奪回を目指す東海大大阪仰星に、頼もしいトライゲッターが現れた。昨冬花園はベンチ外。新チーム発足後にレギュラー入りした山本は前半5分、右WTBながら左WTBの外をフォローする快走で先制トライを挙げた。同12分にも味方のキックチャージに素早く反応し、こぼれ球を拾いトライ。後半1分にも左サイドをカバーしてトライを決めた。ハットトリックの活躍に「14番を着けているので、取れるだけ取ろうと思っていました」と笑顔。点取り屋の自覚は十分だ。

 注目すべきは走力だけでなく、FW顔負けのフィジカル。相手タックルをかわすのではなく、はじき飛ばす場面も見られた。

「ウィングですが、ステップよりもタテの突破が強み」と胸を張る。高校入学時は体重70キロだったが、一日6合の米を食べて筋トレ。2年足らずで20キロのサイズアップに成功した。昨冬準Vメンバーで主将のCTB東佑太(3年)も「コンタクトに強いし、(山本が)外側にいて心強い」と称賛する。

 同校が輩出した大畑大介(元神戸製鋼)、河瀬諒介(東京SG)ら俊足バックスとは、また違うタイプのフィニッシャー。4大会ぶり7度目の花園Vを目指す戦いへ、湯浅大智監督(44)は「今の3年生はコツコツ頑張れる子が多いが、山本もそのタイプ」と先輩たちと共に成長する2年生に期待する。山本は「花園では、もっとライン参加を増やしたい」と貪欲に、大舞台でのトライ量産を見据えた。(田村 龍一)

 ◆山本 健剛(やまもと・けんごう)2008年10月10日、大阪・高槻市生まれ。17歳。小学1年時から高槻ラグビースクール(RS)で競技を始める。東海大大阪仰星中では3年時にオール大阪選出。同高では1年冬の近畿大会予選から14番。

50メートル6秒4、ベンチプレス110キロ。好きな選手は15年W杯優勝時のニュージーランド代表WTBジュリアン・サベア。家族は両親と弟。

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