◆第105回 天皇杯▽準決勝 神戸2―0広島(16日・パナスタ)

 天皇杯連覇を目指す神戸が、広島に勝利し決勝進出を決めた。1点リードの後半24分にFW佐々木大樹がPKを沈め、ダメ押し点を獲得した。

 両チーム攻守の切り替えや、セカンドボールの回収など強度高く火花を散らした。まずは前半24分、CKのこぼれ球にDF永戸勝也が左足を振り抜き、ミドルシュートを突き刺した。永戸の移籍後初ゴールで先制に成功。1点リードで試合を折り返した。

 後半は20分、ペナルティーエリア内でMF武藤嘉紀が倒されてPKを獲得。FW大迫勇也がキッカーを務めたが、一度は広島の日本代表GK大迫敬介にセーブされた。しかし、GKに反則があったとしてやり直しに。2度目にボールをセットしたのは、今季から神戸のエースナンバー「13」を背負うFW佐々木大樹だった。「決まるという自信はありました。ゴール裏に神戸サポーターがいて安心しながら蹴れました」。PK獲得、失敗、やり直しとスタジアムを異様な空気が包む中、言葉通りゴール左隅のコースに決めきった。

 ハーフタイム、前半のパフォーマンスについて吉田孝行監督から「前半のパフォーマンスはダメだ、と。

戦うことは誰でもできる。戦え、(大樹は)必ず点を取るから」と、伝えられた。佐々木は「結構長いことやってますし、常に愛情を感じてやってきていた。期待に応えるという意味でも、もう一度切り替えられた」と反応。2度目のPKの場面では「ベンチ見たら『いけ』という感じだったので。任せてくれるんやって」と、監督からの信頼にしっかり応えた。

 得点後は雄たけびをあげ、感情を爆発させた。ゴール裏に背を向けて「13」を指さす。「今回決勝に少しでも進める可能性が出たダメ押しだったので、13番らしいプレーが少しはできたのかなと思って」と、笑顔で振り返った。前回大会から数え、同大会では10試合5得点だ。「今回ばかりは“天皇杯男”と呼ばせたい」。22日の決勝・町田戦(国立)でも魅せる。

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