◆第56回明治神宮野球大会第4日▽高校の部・準決勝 九州国際大付8―7花巻東(17日・神宮)

 チームリーダーとしてすべての責任を背負った。敗戦の試合後。

花巻東・古城大翔(だいと)内野手(2年)は唇をかみしめるように会見場に姿を見せた。言葉を絞り出す。「エラーがからんだ試合になってしまって、打線もつながることなく終わってしまった。自分の実力不足でもあります」。6回2死三塁で三ゴロを捕球するも、一塁へ悪送球して勝ち越し点を献上。7回に2点を挙げて追いついたが、その裏に味方の失策から決勝点を許して9回の追い上げも届かなかった。

 打っても相手4投手の継投の前に4打数無安打1三振。「どの投手もすごい速球であったりキレのある変化球で、打席の中でも少し迷いがあった。思い通りの結果が出なかったというのは自分の実力不足だと思いますし、チームに迷惑かけたと思います」と4番打者としての役割を果たせず悔しがった。

 決勝進出は逃したが、スタンドで応援した元巨人の父・茂幸さんの前で成長した姿は披露できた。この日こそ無安打だったが、初戦準々決勝の崇徳(広島)戦では左中間へ高校通算25号となる豪快なアーチをかけた。「新チームが始まった時は正直、ここまで来られるとは思っていなかったんですけど、指導者の方々も熱心に向き合っていただき、地域の方々にしっかり感謝を伝えたいと思います」と頭を下げた。

 東北大会優勝で来春センバツへの出場は決定的。出場を果たせば、自身は1年夏から4季連続の甲子園出場。そこで活躍するためにも、この冬の過ごし方が大切になる。「打撃、守備で波があるとトーナメントでは使い物にならない選手になる。率を残して堅実に守れる選手になりたい。チーム全体というよりは個人と向き合う時期だと思うので、この負けを忘れないで弱い自分に負けないように頑張れたら」と強い口調で誓った。主将としても「未熟な部分が全面的に出ているので、チームの先頭に立つ上で行動や姿勢を見せていかないと選手は多分ついてこない」。選手としてリーダーとして。一回りも二回りも大きくなって、甲子園へ帰るつもりだ。(秋本 正己)

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