◆東京都U―18サッカーリーグ ▽第16節 町田ユース2―0国士舘(国士舘楓の杜)

 町田ユースが東京都U―18サッカーリーグ(T1リーグ)で初優勝を果たした。2位の多摩大目黒に残り3試合で勝ち点8差を離す中、国士舘に2―0で勝利し、優勝を確定させた。

昨季は最終節で優勝を逃しただけに、中山貴夫監督は「ホッとしているのが一番。前半苦しい時間を過ごす中で、選手もちょっとイライラしながらも、我慢強く戦ってくれたのが良かった」と、優勝の味をかみしめた。

 「うまい、賢い、タフ」のコンセプトのもと、序盤からボールをつなぐ戦術的なサッカーで相手ゴールに迫っていくが、得点は生まれず。相手に決定機を与えるシーンもあった。ハーフタイムには、中山監督から「相手は自分達のやりたいサッカーではなく、こちらの良いところを消しにきてる。コンビネーションを使わないとこじ開けられない。ゴール前では思い切って脚を振ろう!」と声をかけられ、後半へ臨んだ。

 すると後半23分、ついに試合が動く。自陣でセットプレーをはね返しカウンターになると、「(パスを)どんぴしゃで出してくれるだろうと走ったら、本当に完璧なボールが来た。狙い通りのシュートが打てた」と、MF安田龍都(2年)のパスをもらったFW西川瑞希(3年)が値千金の先制点を決めた。西川は「めちゃくちゃうれしかった。1点が遠い展開だったので、均衡した状況を1―0に持って行けて喜びが爆発した」と声を弾ませた。

後半アディショナルタイム1分にはMF有馬佑賀(2年)がだめ押しの1点を沈めて、試合を決定づけた。

 優勝したことで、高校年代で2番目のカテゴリーとなるプリンスリーグ(関東は2部もあり)昇格をかけたプレーオフの切符も勝ち取った。昇格を決めれば、町田ユース史上初。主将のDF佐藤智風(3年)が「当然、僕たちと同じ(各地域の)1位が来る。そこにどう挑戦していくか、自分たちのサッカーを見せつけたい」と言えば、西川も「ゼルビアユースの歴史を自分たちで変えたい」と言葉に力を込めた。同日には、トップチームがFC東京を延長戦の末に2―0で破り、クラブ初の天皇杯進出を決めた。トップチームと下部組織が、ともに初の歓喜を味わった1日となった。

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