女優の秋吉久美子が18日、都内で行われたBS10プレミアム/BS10の第50回報知映画賞直前特番「見どころ徹底紹介!プレビュー オブ 報知映画賞」(29日午後8時)の収録に参加し、収録後、スポーツ報知の取材に応じた。

 今年で50年となる同映画賞。

1976年に映画「挽歌」「あにいもうと」で第1回報知映画賞主演女優賞を受賞した秋吉は「うれしくて、うれしくて、うれしかった」と受賞当時の喜びを回顧した。

 「挽歌」では8日に死去した仲代達矢さん(享年92)が相手役だった。「私の映画の中で『挽歌』の撮影が一番楽しかった」と振り返った秋吉。「仲代さんってほんとはすごい無邪気で明るい人なんです。サッポロビール園でみんなでご飯食べて、その後、仲代さんとみんなで一緒に雪合戦をしたのが忘れられません」と故人を偲(しの)び、「私の幸せって、それ(=雪合戦が一番である)ほどちっちゃいものなのよ」と懐かしんでほほ笑んだ。

 そして「仲代さんが下がってきてくれるし、私は生意気だから上がってるし、平等に憎み合ったり、愛し合ったり、男と女の愛憎を表現できたんだと思う」と仲代さんとの芝居を振り返った。

 「あにいもうと」については、当時役作りのために「1週間ほとんど食事をとらなかった」と仰天のエピソードも明かした。「そのときはシュークリームみたいな(ふっくらした)顔をしていたから、役でこれじゃあなって思って、1週間ほとんどご飯を食べないでたばこを吸って、コーヒーを飲んでました。顔は思ったほどこけなかったけど、体はごつっとした感じが出て、自分としては『やった!』って感じでした」。売れっ子女優の気骨があった。

 50年前の映画界と比べて、現在の映画界については「やっぱり厳しいと思いますよ」と評する。「みんな厳しい上に、うまい。

体もしっかりしていて、鈴木亮平くんとか、山田孝之さんとか、阿部サダヲさんとか、みんなどんどんどんどんうまくなってますよね」

 報知映画賞50年の歴史の始まりにいる秋吉の言葉には、力がある。(瀬戸 花音)

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