◇大相撲九州場所11日目(19日、福岡国際センター)

 東幕下22枚目・矢後(押尾川)が西19枚目・碇潟(伊勢ノ海)を寄り切って3勝3敗とした。

 もろ差しを許したが、慌てなかった。

両かいな(腕)を抱えて前に出た。「もろ差しになられても、きめて行こうと思ってました。流れの中で相撲が取れました」。1勝3敗から2連勝で星を五分に戻しても矢後は表情を緩めなかった。

 東支度部屋の前では師匠の押尾川親方(元関脇・豪風)が「やっとエンジンがかかってきたな」と声を掛けた。さらに「前に出れるようになったのが大きい。夏ぐらいからですかね、やっと稽古ができるようになってきた。早めに福岡に入って、しっかり調整も出来ていた。1勝3敗から3勝3敗に戻したのも稽古のたまものだと思いますよ」と続けた。

 右膝の手術から今年の初場所に復帰した。「あと1番、頑張ります」と静かに話した矢後に対して、押尾川親方は「1年の納めの1番、しっかり締めろ」とゲキを飛ばしていた。

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