J1町田は20日、東京・町田市内で、神戸との天皇杯決勝(22日・国立)へ向けた調整を非公開で行った。大会2連覇を目指す神戸に、町田は初タイトルを狙う。

今季、神戸とは1勝1敗と互角。強敵相手に、主将の元日本代表DF昌子源は「(神戸は)近年のJリーグを象徴するチーム。ラスボスというか、横綱というか」と表現すると「2年連続でJリーグでは彼らより下にいるが、一発勝負はまた違った戦い。リスペクトはしていますけど、強気で行きたい」と言葉に力を込めた。

 プロ生活15年で数多くの栄冠を勝ち取ってきた。9年間(11~18年、23年)過ごした鹿島では、6回の優勝を経験。国内屈指の名門でJ1リーグ(16年)、天皇杯(16年)、ルヴァン杯(11年、12年、15年)、ACL(18年)と、全てのタイトルを獲得した。カップ戦の決勝はG大阪に在籍していた20年の天皇杯以来。町田では正真正銘のリーダーとして臨むことになる。

 「(鹿島は)僕が入ったときにはもう日本で有数のビッグクラブとして存在していた。僕なんか先輩におんぶにだっこで行って、タイトルが取れた。今回はどちらかとうと逆。

自分たちがチームをまとめないといけない責任があった。そこの違いはすごく感じる」

 昌子が10年に米子北高から入団した時点で、鹿島は既に14回の優勝を果たしていた。一方で、24年の町田加入時はまだJ1初年度で、タイトルはもちろんなし。カップ戦も8強以上に進んだこともなかった。優勝の味を知るからこそ、「色々なものが結果論で結びつく世界。正解は分からないが、勝ちは正解になるし、負ければ不正解になる。取った時に初めて天皇杯へ向けてやってきた1週間が初めて正解だったとなる。そうやってクラブとして強くなっていく」と、タイトルを1つ取ることの意義を語る。

 「町田として1つのタイトルを取ったという1個の自信を作っていかないといけない。クラブとして歴史的1つ目のタイトルをこのメンバーで達成したい。それはもう僕が改めて言わなくてもみんな同じことを思っている」

 1989年にFC町田トップとして歩み始めてから36年。機は熟した。

編集部おすすめ