J1町田は20日、東京・町田市内で、神戸との天皇杯決勝(22日・国立)へ向けた調整を非公開で行った。大会2連覇を目指す神戸に、町田は初タイトルを狙う。

チームだけでなく、自身にとっても初優勝のチャンスのDF中山雄太は「初のタイトルというわくわく感よりも、そろそろ取らないといけない、という使命感が強い。いつものプレーを100%出せるかどうかの舞台になる」と見据えた。

 個人では日本代表にもなり、欧州で6シーズン過ごすなど高い実力を持ちながら、チームのタイトルには縁がなかった。柏ではトップチームに昇格した15年から18年までの4年間で4強が最高。東京五輪では準決勝で敗れ、3位決定戦も勝利できず、メダル獲得とはならなかった。準決勝のFC東京戦後には「五輪でもオリンピアンとメダリストではだいぶ違う。ファイナリストになるのと、カップでチャンピオンになるかも全然違う。僕も(東京五輪で)成し遂げられず、その悔しさがずっとエナジーになって今に至っている」と話していた。

 町田に入団した昨夏、チームを牽引(けんいん)する責任、そして自身のキャリアのため、タイトル獲得が「使命」に変わった。優勝をかけた大一番を「明日、遊園地に行くような楽しみ方じゃない。ひりひりした環境に身をおけるのが一番。危機感もあり、得るものも大きい。

ギャンブルに近いですよね」と表現する。日頃から選手間の競争、「ばちばち感」を渇望する28歳は、2日後の決戦を心待ちにしている。

編集部おすすめ