“黒船”がついにメジャー中継にも乗り出した。米大リーグ機構(MLB)は19日(日本時間20日)、スポーツ専門局ESPN、メディア大手NBCユニバーサル、米動画配信大手ネットフリックスの3社と26~28年シーズンの放映権契約を結んだと発表。

MLBとドキュメンタリー作品を共同制作するなどしてきたネットフリックスは、初参入となった。

 米球界の視聴スタイルに大きな影響を与えそうだ。メジャーでは主にFOX、ESPN、米TBSの大手テレビ局3社などが放映権を保有。近年は開幕戦、オールスター戦前日恒例の本塁打競争などをESPNが、開幕週末ゲームをFOXが担当するなど、大手が独占していた。だが、来年以降はネットフリックスが3月25日のジャイアンツとヤンキースの開幕戦、そしてホームランダービーの配信も決定。大手放送局には脅威で、テレビ離れがさらに加速する懸念も出てきた。

 勢いはとどまることを知らない。日本上陸から10年目を迎えた同社は、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の全47試合を日本で独占配信すると、今年8月下旬に発表。放映権料の高騰に苦しむ国内テレビ局を横目に、豊富な資金力で独占放映権を得た。過去5大会を放送した地上波で観戦できない可能性が高まり、日本中に衝撃を与えたばかりだった。

 AP通信によると、3社の総額は8億ドル(約1256億円)規模。主に平日夜や夏季の30試合を中継するESPNが5億5000万ドル(約864億円)、主に日曜ナイターを担当するNBCユニバーサルが2億ドル(約314億円)、ネットフリックスが5000万ドル(約79億円)を年間で支払う。

MLBのマンフレッド・コミッショナーは「多くのファンへMLBを伝える素晴らしい機会。これらの関係は、さらに成長を後押しする」と“ネトフリ効果”を期待した。

編集部おすすめ