◆男子テニス ▽横浜慶応チャレンジャー第5日(21日、横浜・慶大日吉コート)

 3か月ぶりに実戦復帰した元世界ランキング4位で、現158位の錦織圭(ユニクロ)はベスト8で敗退した。準々決勝で同288位で第8シードの内田海智(富士薬品)に2-6、2-6のストレート負けとなった。

 力強い内田のショットの前に、錦織が力尽きた。痛みを抱える腰のけがは「(ダメージは)あります」。復帰戦で3試合を戦い「少し、おなかいっぱい、いっぱい」と、心身ともに目いっぱいだった。

 しかし、敗れたとはいえ、この日の試合後は「やる気やガッツが多少出てきた。それが久しぶりだったので、うれしかった」。米フロリダのIMGアカデミーでともに練習する内田のプレーが、沈んでいた錦織の気持ちに灯をともしたようだ。「海智にリベンジしたい夢もできた」。

 来季に向けて、1回戦後は「イメージがない」と話した。しかし、この日は「オーストラリアでがちがちになるよりは、まずここでやっておいて良かった」と、全豪に向け、動き出す気持ちも高まった。

 約1か月ほど、坂本怜、綿貫陽介ら、日本のトップ選手と練習して「まだ行けそうだなとはちょっと思っていた」。しかし、練習と試合は大きく違う。「それ(練習でできたこと)を試合で出せれば。

それが長い道のりであることは間違いない。自分が(その期間に)耐えられるかどうかだと思う」。

 錦織は、今年5月の全仏前哨戦ジュネーブ・オープン(スイス)で腰を痛め、2回戦で途中棄権。8月のシンシナティ・オープン(米国オハイオ州)で1度、復帰したが、1回戦で敗れ、それ以降、リハビリで治療で実戦から遠ざかっていた。

 錦織が、日本国内のツアー下部大会チャレンジャー・シリーズに出場したのは、自身が初めて同シリーズに出場した2006年3月の島津全日本室内選手権以来、19年8か月ぶりだった。

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