◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・那須川天心―同級2位・井上拓真(24日、トヨタアリーナ東京)

 中谷潤人(27)=M・T=が返上、空位となったWBC世界バンタム級王座決定戦でWBC世界バンタム級1位・那須川天心(27)=帝拳=と対戦する同級2位・井上拓真(29)=大橋=が21日、都内のホテルで記者会見。那須川に「初黒星をつけたい」と意欲を見せた。

 大橋秀行会長、父の真吾トレーナーとともに天心陣営と並んだ拓真。「(18日の)公開練習から変わりなくコンディションもすごくいいですし、練習も何一つ抜くことなく、ここまでやりきれたので、状態も過去イチ状態です」と自信を見せた。堤聖也(角海老宝石)に判定負けしてWBA世界同級王座を奪われてから1年1か月ぶりとなる試合は、那須川の世界初挑戦と、国内外から注目される一戦となった。「天心選手の印象としては、やっぱりスピードとやっぱり勘のいいところがあるので、そこをしっかり十分に警戒しながら、総合力で上回っていきたいと思ってます」と拓真。兄のスーパーバンタム級(55・3キロ以下)の世界4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=らが会見を見守る中、「こういう大きな舞台を用意してくださって、本当に自分としてもモチベーションがすごい高い状態なので、ここでは勝ち取って、しっかり恩返しをしたいと思います」と力を込めた。

 天心対策については「どんな場面になっても自分は対応できるように準備はしてあるので、その面でしっかりポイントは取っていきたい」と拓真。天心が「(ボクシングと言えば井上家が浮かぶという)概念を壊したい」と話していたということを向けられると「まあ、自分的にはそこまで意識はしていないですね」と冷静に受け流しながら「自分はやっぱり、知名度もある天心選手に初黒星をつける、自分のファンの期待にも応えるっていう意味で、しっかり倒しに行きたいと思います」と言い切った。WBCの王座は暫定王座のベルトを巻いたことがあるが、ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との団体内王座統一戦で判定負けして奪われた。「ベルトをどうのこうのじゃなく、しっかり天心選手に勝つ、それでしっかり、結果でベルトが後についてくるんだと思っている」とベルト奪取は意識していないという。「自分も盛り上がるカードをやりたいと思っていて、(今回の)相手には申し分ない相手なので。自分も非常にモチベーションが高いですし、ここでしっかり勝って世間をあっと言わせたいんです」と闘志を見せた。

 真吾トレーナーは「今回、今までで一番自分と気持ちがあって、同じ温度差でしっかりとトレーニングをやれてきている。

それを惜しみなく出してもらえれば」と成長ぶりに目を細めた。

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