松本マラソンは21日、公式ホームページで大会終了を発表した。長野・松本市などが共催し2017年から開催してきたが、23年大会において担当職員が約1500万円の赤字を若干の黒字になる不正経理を行ったことが発覚。

25年大会を中止した上で、「松本マラソンにおける不正な会計処理検証委員会」による検証結果報告書を基に関係各所と継続可否について検証を重ねていた。19日の松本マラソン実行委員会で終了の方針が報告され、20日の松本市議会議員協議会への報告を経て、終了が正式決定された。

 大会側はホームページで公表した文書で「これまでコースの工夫、エイドの充実など、エントリー数を増やすための取り組みを進めてまいりましたが、参加者の増加には繋がらず、結果として単年度収支は赤字が続き、大会の存続を危惧した職員が不正な会計処理を行うという事態を招いてしまいました」と説明。終了の理由として

(1)ランナーが求めるコース設定が難しいこと及び近県の人気大会と開催時期が重なっていることから、エントリー数の確保が難しいこと。

(2)エントリー数の減少で参加料収入が確保できないため、赤字が続いており、今後も収支改善が見込めないこと。

(3)検証委員会からの再発防止策及び提言への対応として契約方法の見直し及び事務局体制の見直しを想定すると職員の増員(正規職員3名程度)が必要となるが、令和10年の国スポ・全障スポを担当する職員の増員が必要となるため、上記のような人員の確保が難しいこと。

(4)松本マラソンを開催しない場合でも、補完できるスポーツイベント及び大会が開催されていること。

 4点を挙げた。

 大会は「ランニングによる生涯スポーツの推進」、「三ガク都 松本の価値・魅力の発信」、「交流人口の拡大と地域経済活性化」を目的に2017年から開催された。18年は台風、20年は新型コロナウイルス感染拡大、21年は豪雨災害で中止となったが、国内外からランナーが参加していたという。

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