フジテレビの人気長寿番組「くいしん坊!万才」の最終回となる特別番組「50年間ありがとう!くいしん坊!万才 一生忘れられない味SP」が22日に放送され、50年の歴史に幕を閉じた。番組最長の25年間“くいしん坊”を務めた第11代・松岡修造は「僕にとってくいしん坊!万才は『一食一会』でした」と感謝を語った。

 同番組は「いい味、いい旅、いい出会い」をテーマに全国各地の郷土料理、名物料理、特産物などの食べ物を訪ね、その土地の歴史や文化、人々の暮らしにふれあい、「食べることの喜び」「人々との出会いの楽しさ」を求める番組。グルメ番組の礎となった。1975年6月30日に初回が放送され、レギュラー放送最終回となった11月16日まで6599回を数えた。

 番組の顔である“くいしん坊”は初代リポーターの渡辺文雄にはじまり、竜崎勝、友竹正則、宍戸錠川津祐介梅宮辰夫村野武範、辰巳琢郎、山下真司宍戸開と受け継がれ、現在の第11代リポーター松岡修造は2000年1月10日から25年にわたって活躍した。この日のスタジオには、7代目・村野、8代目・辰巳、9代目・山下、10代目・宍戸、11代目・松岡、そして1984年に亡くなった2代目・竜崎勝の娘である元フジテレビの高島彩アナウンサーが出演した。

 冒頭で松岡は「50年間ありがとう~!」とカメラに向かって絶叫。「最終回ということなんですけど、50歳ってお祝いじゃないですか。にぎやかに、先輩の思いも聞きながら…」と最終回の趣旨を説明すると、山下は「今もう泣きそうなんだけど、俺。ウルウルきちゃった」と早くも感極まっていた。

 歴代くいしん坊たちが思わず唸(うな)った“一生忘れられない味”を紹介しながら、懐かしい映像とともに、50年の歴史を振り返った。松岡は、就任した2020年に訪れた長崎県の「ろくべえ」をチョイス。今回長崎を再訪し、さつまいもの粉が原料の麺を手作りして「モチモチ。

このありえない食感」とおいしそうに食べた。

 エンディングでは、スタジオの一人一人が色紙に思いを記して、メッセージを届けた。7代目・村野は「人生最高の調味料」。10代目・宍戸は「出会い、ふれあい、隠し味」。8代目・辰巳は「お祭り届け隊」。9代目・山下は「人生の宝」。11代目・松岡は「僕にとってくいしん坊!万才は『一食一会』でした。一食一食に、必ず人の思いが詰まってました。ひとつひとつの出会いのなかには、感謝が詰まってました。そのおいしい記憶っていうのは、僕らみんなのなかに刻まれてるんです」と語り、「この『万才』はこれからも続いていくんです。くいしん坊!万才、全国のみなさん、ありがとう。僕らはいつまでも、くいしん坊!万才」とラストメッセージ。

スタジオ一同は両手を広げて笑顔を見せた。

<歴代くいしん坊>

 ▼初代 渡辺文雄 1975年6月30日~1977年7月3日 通算515回(2年)

 ▼2代目 竜崎 勝 1977年7月4日~1978年12月31日 通算390回(1年6カ月)

 ▼3代目 友竹正則 1979年1月1日~1981年12月31日 通算794回(3年)

 ▼4代目 宍戸 錠 1982年1月1日~1983年12月30日 通算509回(2年)

 ▼5代目 川津祐介 1984年1月4日~1984年12月30日 通算228回(1年)

 ▼6代目 梅宮辰夫 1985年1月1日~1987年12月30日 通算623回(3年)

 ▼7代目 村野武範 1988年1月3日~1990年12月30日 通算617回(3年・当時は武憲)

 ▼8代目 辰巳琢郎 1991年1月6日~1993年12月29日 通算606回(3年)

 ▼9代目 山下真司 1994年1月4日~1997年12月30日 通算782回(4年)

 ▼10代目 宍戸 開 1998年1月4日~1999年12月27日 通算284回(2年)

 ▼11代目 松岡修造 2000年1月10日~2025年11月16日 通算1251回(25年)

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