◆プロボクシング▽スーパーフェザー級(58・9キロ以下)6回戦 阪下大地(TKO 6回1分5秒)浅井大貴(22日・エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 元全日本社会人選手権ライト級王者の浅井大貴(36)=アポロ=が、ラストファイトと公言していたプロ7戦目の阪下大地(22)=SUN―RISE=戦で6回に右肩を脱臼し、TKO負けとなった。5回までの採点でリードしていた浅井は「このまま終われない」と号泣。

“引退撤回”を示唆し、周囲が説得する一幕があった。

 この日は、妻・志帆さん(34)、7歳の長男・栄孝(はるゆき)さんに加え、指定難病「滑脳症」と闘う3歳の次男・美陽也(みおな)さんが初の現地応援。発奮した浅井は、阪下に右を何度もヒットさせたが、アクシデントに屈した。だが、志帆さんは「もう十分」と優しい笑顔。アマ77戦の浅井は、プロで3勝(3KO)4敗と全7戦KO決着。ダメージを重く見る陣営の度紀嘉男会長も「もう、やらせません」と明言した。

 31歳のプロデビューで注目された元アマ王者。「もう、辞めた方がいいんですかね」と笑顔を取り戻し、会場を後にした。(田村 龍一)

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