◆W杯スキー(21日) 

 ノルウェー・リレハンメルで開幕し、ジャンプ混合団体第1戦(ヒルサイズ=HS140メートル)が行われ、丸山希(27)=北野建設=、二階堂蓮(24)=日本ビール=、伊藤有希(31)=土屋ホーム=、小林陵侑(29)=チームROY=で臨んだ日本が、合計1034・0点で優勝した。日本の同種目制覇は、13年12月以来12季ぶり2度目の快挙。

スロベニアが2位、オーストリアが3位だった。高梨沙羅(29)=クラレ=はメンバー外だった。

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 日本が五輪イヤーを最高の形で滑り出した。丸山、二階堂、伊藤、小林陵で臨み、12季ぶりに表彰台の頂点に立った。来年2月のミラノ・コルティナ五輪シーズンの開幕初戦での快挙。31歳のベテラン、伊藤は「みんなを信頼して飛ぶことができた」とチーム一丸を強調した。

 それぞれが役割を全うした。1回目に、トップバッターの丸山が128メートルを飛び、エースがそろった1番手集団でトップのポイントを叩き出し、流れをつくった。2番手の二階堂が134・5メートルの大ジャンプでつなぐと伊藤、小林も好飛躍で首位ターンした。

 2回目は、丸山が飛び過ぎて着地が決まらずに得点が伸びずスロベニアに迫られたが、3番手の伊藤が132・5メートルでフォローすると、アンカーの小林陵が133メートルを飛び一度もトップを譲らず逃げ切った。丸山は「すごくいいスタートが切れた。勢いがつく」と声を弾ませた。

 選手層の厚さが日本の武器だ。日本は13年12月に同種目を制した後は、男女2人ずつの駒がなかなかそろわずに世界から遠ざかっていた。しかし今夏の国際大会グランプリ(GP)で、女子の丸山が初めて個人総合V。助走路の滑りが安定したことで飛距離が伸び、ブレイクにつながった。急成長した丸山を始め、女子はGP総合7位までに日本勢5人が入る活躍を見せた。

 この日、公式練習で不調だったエース高梨が初めてメンバーから外れたが、高梨に頼り切りだった構図から脱却し、誰が出ても世界と戦える位置まで実力を付けてきた。男子も小林陵に加え、二階堂が急成長。昨季、2人一組で争うスーパー団体で3位に入るなど、世界に肉薄した。伊藤は「誰が選ばれても勝ちを狙える場所にいる。強いチームになっている」と胸を張る。五輪初採用だった前回北京大会は4位。雪辱へ、新生ニッポンが復活を高らかに告げた。

 ◆混合団体 各チーム女子2人、男子2人の計4選手で構成され、合計得点で争われる。順番は女子、男子の順に交互に2回飛ぶ。1回目の上位8チームが2回目に進む。W杯では12年~13年シーズンの開幕戦で初実施。世界選手権は13年のバルディフィエメ大会で初採用され、伊藤有希、伊東大貴、高梨沙羅、竹内択で挑んだ日本が金メダルに輝いた。五輪では22年北京大会から正式種目として採用され、日本は4位だった。

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