◆天皇杯 ▽決勝 町田3―1神戸(22日・国立)

 神戸が3失点で敗れ、準優勝となった。DF山川哲史は右のセンターバックとして後半32分まで出場。

「試合を通して、なかなか自分たちのやりたいサッカーが表現できずに負けてしまった。そこが一番悔しい」と、肩を落とした。

 先発には準決勝・広島戦(パナスタ)と同じ11人が並び、試合開始から肉弾戦の色が濃い展開となった。強度、セカンドボールの回収、ショートカウンターなど徹底した質の高さを誇ってきたが、この試合では発揮しきれず。相手の狙い通りである前半6分に先制を許し、徐々にテンポをつかんできた同32分に追加点を献上。0―2となった前半を「やっていてもいつもの自分たちじゃないなと感じた。そこで粘り強く戦うのが強い時のヴィッセル。内容悪くても失点しないところにフォーカスしたかった」と振り返る。要因は「一人ひとりが自信を持ってプレーできていないのは僕も感じたし、僕自身もなんかいつもと違うなという感覚があった。自分たちを信じ切れずに戦ってしまった」と分析。失点してもすぐに取り返すいつもの神戸の迫力を、“違和感”が邪魔した。

 後半にも追加点を奪われ、一時は0―3となった。

FW宮代大聖の得点で1点を返したが及ばず、長い笛を聞いた。神戸は今季、国内3大タイトルを逃す形となった。山川は「やり続けるのは口で言うのは簡単だけど、実行に移すのが難しい。リーグ1試合でも、常に決勝戦のつもりで戦わないといけない」と連続する試合の中で、どこかに緩みがあったことを認めた。町田の選手が優勝インタビューを受けている時、山川は表彰台に用意されていた天皇杯をじっと見つめていた。実際に掲げられた時も同じ。胸にその光景を焼き付けた。「自分たちがあそこにいる想像しかしていなかったので。そこがただただ悔しい」。来季は主将2年目。今戦っているACLEをはじめ、是が非でもタイトルをつかむ。

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