◆明治安田J2リーグ 第37節 磐田2-2山形(23日・ヤマハ)

 ジュビロ磐田はホームで山形と2―2で引き分けた。後半32分、FWマテウスペイショット(30)の今季10号で同点。

その後勝ち越しを許したが、同アディショナルタイム(AT)にDFヤン・ファンデンベルフ(31)の得点で再び追いついた。7位から浮上できず自動昇格の可能性は消滅したが、6位・仙台と勝ち点1差、5位・大宮と2差で最終節での逆転プレーオフ(PO)進出に可能性を残した。

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 ホーム最終戦で最低限の意地は見せた。前指揮官の横内昭展監督(57)と対峙(たいじ)した磐田は2度リードされながら、土壇場で勝ち点1を奪取。試合後のセレモニーではフロントの責任を問う横断幕も掲示されたが、選手が場内一周する頃には温かい拍手が送られた。あいさつに立ったGK川島永嗣主将(42)は「(J1昇格を)誰も諦めていません」と声を大にした。

 助っ人コンビが奮起した。後半32分、右からのクロスにペイショットが反応。190センチの大砲は「信じて(スペースに)入れた」と来日初の2ケタ弾をヘッドで突き刺した。さらに6分と表示されたATの終了間際、パワープレーで前線待機したDFヤンが右からの浮き球を頭で捉え同点ゴール。空中戦の強さから“エアフォースヤン”の異名を持つ男は「絶対に勝ち点が必要と思って(前線に)上がった」とリスク承知の一発に胸を張った。

 一方、守備には大きな課題が残った。

前半9分、ロングボールで簡単に背後を取られ被弾した。「入りであの失点はプランが崩れる」とMF中村駿(31)。同点から6分後にも中盤でのパスミスをきっかけにカウンターから2点目を奪われた。安間貴義監督(56)は「やってはいけないプレーをしている。サッカーを軽く扱った時の代償は大きい」と指摘した。

 29日の最終節は敵地で鳥栖と対戦する。くしくも昨季J1最終戦で0―3の惨敗を喫し、4度目の降格が決まった場所で運命の一戦を迎えることになる。得失点差を考えれば実質的には勝利した上で仙台と大宮の結果を待つしかない状況。13年、24年と過去2度の落日を迎えた因縁の地で奇跡を起こせるか。(武藤 瑞基)

 ◆磐田のPO進出条件 

 ▽最終節勝利の場合 〈1〉仙台が引き分け以下〈2〉大宮が負けか引き分け、かつ得失点差で逆転〈3〉徳島が負け、かつ得失点差で逆転のいずれかを満たせばPOに進出。

 ▽同引き分けの場合 仙台が5点差以上で負けることが必要。

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