◆明治安田J2リーグ 第37節 今治1-1札幌(23日・アシックス里山スタジアム)

 北海道コンサドーレ札幌は、今季の敵地最終戦を勝利で飾ることはできなかった。今治戦は後半12分に失点。

同36分、途中出場のFWマリオセルジオ(30)が10試合ぶりの今季3得点目となるPKを決めて追いつくも、逆転とはならず、1―1で引き分けた。

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 札幌がやりたいのは何なのかということが、出せないまま終わった試合だった。今治の前半の出来からいえば、2~3点入れていい流れ。そこで点を取れずに入った後半がオープンな戦いになってしまったのは、年間を通じてチームとしてうまくいかなかったという証し。残り2試合という状況下、もっと出来上がったサッカーを見せてほしかったというのが本音だが、それができていたら上位に行けていたのだろう。

 ここが悪かったという部分を見つけづらいことが、一番の問題かと。今の札幌はうまいし、チャンスクリエイトもできて、ボールもしっかり奪える。ただ怖さがなくて、全ての面で相手が対応できる範囲内にある。昨年まではこうなったら弱いが、こうさせたら相手も簡単には止められないという面があったが、今年は強みを見いだせなかった。

 今治戦も前半は右からの攻勢が目立ったが、そこに偏らせて左で仕留めるではなく、行き当たりばったりに右を使わざるを得なかった印象。左サイドの白井はスピードがあるのだから、どんどん裏を狙い続けるとか、持ち味を徹底しても良かった。決まりを守るのは大事だが、まずは自身の強みを出さないと。

その上で戦術に絡んでいくことが、チームの一番の力になるのだから。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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