◆報知新聞社後援 ◇サッカー 全日本U―12選手権静岡県大会 ▽決勝  エスパルスU―12清水 2-0 SALFUS oRs(23日、アイスタ)

 エスパルスU―12清水が4年ぶり4度目の優勝を飾った。決勝戦でSALFUS oRsと対戦し、元日本代表でJ1神戸のGK権田修一(36)の長男、権田泰千(たいち、6年)が後半2分にヘディングで先制。

同5分には小林聖之介(6年)も頭で追加点を決め2―0で快勝した。優勝チームが出場する全国大会は12月26日から鹿児島市で行われる。

  U―12清水に念願の全国大会への道を切り開いたのは、175センチの権田の頭だった。背番号10・酒井琉衣(6年)からのCK。相手DFとの激しい競り合いを高い打点で制し、ゴールへとたたき込んだ。「1点を絶対決めようと思った。全国につながってうれしい」と声を弾ませた。

 6年生に進級後、チームとしてこれまでの大会では優勝経験がなかった。太田貴光監督(55)は「チーム一丸となって最後にタイトルが取れたのは良かった」と、うなずいた。強みは例年のチームよりも高いイレブンの身体能力。父譲りのパワーを持つ権田は、その象徴的存在だ。

GKやりません 権田は「将来は日本代表になってW杯で優勝したい」と夢を語る。

GKは「やりたくないです。攻撃する方が面白いですから」と苦笑い。一人でゴールマウスを守る重圧を誰よりも知る父も、息子にGKを勧めることはないという。

 1年間で10センチ以上伸びた身長はまだまだ止まらず「(187センチの)お父さんは超えたい」と笑う。その偉大な父からいつも言われる言葉は「自信を持って行け」。小学校卒業後は父が所属する神戸のジュニアチームに進む予定だが、その前に目指すのは全国優勝だ。目標を問われると「得点王と最優秀選手を狙います」。迷わず即答し、大物感を漂わせた。

(甲斐 毅彦)

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