J2磐田は25日、最終節(29日)のアウェー・鳥栖戦に向け静岡・磐田市内で調整した。チームはプレーオフ(PO)圏の6位・仙台と勝ち点1差の7位。

J1だった昨季もアウェー・鳥栖戦で最終節を迎え、0―3の完敗で降格の憂き目にあった。同戦に帯同しながらベンチ外で涙をのんだFW渡辺りょうは「借りを返す」と表情を引き締めた。

 1年前の苦い記憶を振り払う。磐田は24年の最終節も鳥栖と対戦。当時相手は最下位ですでに降格も決まっていたが、0―3の完敗で4度目のJ2行きが確定した。自身は左足首の故障を抱え、懸命のリハビリを経て遠征には帯同したがベンチ入りは見送られた。降格とPO切符の違いはあるものの、負けたら終わりの状況は今回も酷似している。「自分たちにとって最後乗り越えないといけない壁。ここを越えてPOに行く」と言い切った。

 今季ここまでは6得点にとどまるが、毎試合献身的姿勢で守備にも奔走。「フルで行くことを考えていない。先発の役割を果たすことを考えている」と序盤からエンジン全開で飛ばして貢献してきた。

引き分けでも仙台の結果次第では可能性を残すが、得失点差を考慮すると勝利することは最低条件になる。得点は必須になるだけに「目に見える数字を出していかないと」と自らも積極的に狙っていく構えだ。運命を決する90分。1年前立てなかったピッチで、背番号9が主役になる。

 ◆磐田のPO進出条件

 ▽鳥栖に勝利の場合 〈1〉仙台が引き分け以下〈2〉大宮が負け、もしくは引き分けかつ得失点差で逆転〈3〉徳島が負けかつ得失点差で逆転。〈1〉~〈3〉のいずれかを満たすとPOに進出。

 ▽鳥栖戦で引き分けの場合 仙台が5点差以上で負けるとPOに進出。

(前節終了時の得失点差は徳島+21、大宮+22、仙台+12、磐田+7)

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