セ・パ両リーグのベストナインが25日、発表された。巨人からは泉口友汰内野手(26)がセ・リーグの遊撃手部門で初受賞。

巨人の遊撃手では2021年の坂本勇人以来8人目で、入団2年目以内に限れば1954年の広岡達朗(1年目)以来71年ぶり2人目の快挙となった。2年ぶりのリーグVを果たした阪神からは村上らセ最多タイとなる7人が受賞。5年ぶりの日本一にも輝いたソフトバンクからはモイネロら4人が受賞した。

 ブレイクを果たした泉口が新たな栄誉を手にした。セ・リーグ遊撃部門で首位打者の広島・小園(76票)を122票上回る198票を集め、初のベストナイン受賞。巨人の入団2年目以内の遊撃手では、ルーキーイヤーに受賞した広岡達朗以来71年ぶり2人目の快挙となった。攻守で大きくチームに貢献してきた男は記録的な吉報に、喜びの言葉を並べた。

 「ベストナインに選んでいただき、本当に光栄です。打撃や守備を総合的に評価してもらえたことがうれしく、これまでの取り組みが報われたように思います」

 2年目の今季は開幕を2軍で迎えた。それでも4月4日に1軍に昇格すると今季初スタメンだった同9日・DeNA戦(横浜)で本塁打を記録。その後も存在感を発揮し、レギュラーをつかんだ。チーム最多133試合の出場で打率3割1厘、6本塁打、39打点、出塁率3割6分2厘。

守備でも安定感を示しており、ゴールデン・グラブ賞との2冠は球団遊撃手で21年の坂本勇人以来となった。

 セ・リーグのベストナインは7ポジションにリーグVを飾った阪神勢が並んだ中で、奮闘を証明する受賞。シーズン中から好結果が続いても一切の気の緩みも妥協もなく歩んできたからこそ、舞い込んできた勲章だ。シーズン終了直後には「来年も続けていかないとすぐに終わってしまうという危機感の方が10割ぐらいある」と語っていたように、好結果を残したからこそより一層気を引き締め、現在もトレーニングを重ねている。

 一気に階段を駆け上がった2025年。チームでは岡本がメジャー移籍を目指してポスティング申請中で、来季泉口には内野の、そしてチームの中心としての働きに期待がかかる。「これからもチームの勝利に貢献できるよう、しっかり準備して頑張ります」。まずは2年ぶりのリーグVの力になるべく、まだまだ進化を遂げていく。(田中 哲)

 ◆広岡達朗の1954年 早大から入団した1年目。背番号2を背負い遊撃のレギュラーを奪うと、112試合に出場し、打率3割1分4厘、15本塁打、67打点、9盗塁。守備でも華麗なフィールディングで多くのファンを引きつけた。ベストナインに加え、新人王にも輝いた。

 【記録メモ】

 2年目の泉口(巨)が遊撃手で初のベストナインに選出された。巨人遊撃手の受賞は

回数      初受賞と年数

〈7〉坂本勇人=09年(3)年目

〈3〉平井三郎=51年(4)年目

〈1〉広岡達朗=54年(1)年目

〈1〉黒江透修=68年(5)年目

〈1〉河埜和正=77年(8)年目

〈1〉川相昌弘=94年(12)年目

〈1〉二岡智宏=03年(5)年目

〈1〉泉口友汰=25年(2)年目

 09、12、16、18~21年に7度の坂本以来、8人目(16度目)。入団2年目までに受賞は、54年に1年目で選出された広岡以来71年ぶりチーム2人目だ。

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