日本ハムから国内FA権を行使した松本剛外野手(32)が巨人入りを決断したことが25日までに明らかになった。22年に打率3割4分7厘で首位打者に輝き、22、24年は20盗塁以上をマークし、守備力も高い。

近年は故障や若手の台頭もあり、今季は66試合で打率1割8分8厘に終わったが、巨人はさらなる伸びしろがあるとみて注視してきた。なぜ松本剛が必要なのか―。背景には外野陣が課題の中、特に中堅手の補強が急務で、丸に次ぐ外野のリーダー的存在を必要とするチーム事情もあり、待望のセンターライン強化となる。

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 松本剛は巨人の補強ポイントにさまざまな面で合致する。今季は外野を固定できず苦戦。外野手の失策数19はリーグ最多、2リーグ制後球団ワーストタイで、半分以上の11失策が失点に絡んだ。

 特にセンターを守れる選手の層が薄かった。中堅ではヘルナンデスが37試合、佐々木が27試合、オコエが26試合、キャベッジが19試合、若林が17試合、浅野が9試合、丸が5試合、萩尾が3試合スタメン出場も、定着できなかった。

 松本剛はセンターの守備力が球界トップクラス。過去には巨人戦の際、守備位置が定位置より極端に前で、巨人ナイン、首脳陣を驚かせたこともあった。後方の打球に絶対的な自信がないと、前を守ることはできないそうだ。正面から打球がくるセンターは判断が難しい中で、プロの目から見ても、前後の判断力と守備範囲が抜群だという。

 日本ハムで選手会長を務めた統率力も大きな魅力。外野陣は現在36歳の丸の他は全員20代以下。松本剛が加われば、走攻守で手本となり、丸に次ぐリーダーになり得る。左打者が多い中で貴重な右の外野手でもあり、22年に首位打者を獲得した打撃も、まだ伸びしろがある。現有戦力に刺激を与え、活性化も期待できる。補償が必要なBランク(旧球団での外国人選手を除く年俸4~10位)という点を差し引いても価値ある補強になるだろう。(片岡 優帆)

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