将棋の羽生善治九段が26日、朝日杯将棋オープン戦二次予選で2連勝し、通算1600勝を達成した。

 午前は後手番で、初手合いの本田奎六段相手に中盤まで苦戦していたが、持ち時間(各40分)を使い切ってから相手玉をつめる形に持って行き一気に逆転し、勝利。

午後も後手番で、優勝経験者の千田翔太八段との一局。互角が続いたが攻めの手に出て、自玉周りも金銀で固めて安全にしリードを広げる展開で、そのまま勝利した。2連勝で本戦出場も決定。「本戦まで行けたのは久しぶりなので張り切って臨めたら」と意気込んだ。

 1985年にプロ棋士入りを果たした羽生は今年で40年。今なお将棋界の第一線で活躍しており、この日の2勝で前人未到の1600勝(731敗)の偉業を成し遂げた。「40年間やってきた積み重ねが一つの形になって良かったなと思います。一つ一つ勝っていくのが非常に大変なので、その積み重ねで達成できて良かった」とうなずいていた。

 ◆羽生 善治(はぶ・よしはる)1970年9月27日、埼玉県所沢市生まれ、東京都八王子市育ち。55歳。6歳で将棋を始め、85年に史上3人目の中学生棋士。89年の竜王戦で初タイトルを獲得し、96年に史上初の七冠独占。

現在の通算タイトル獲得数は99期で、歴代1位。2017年に史上初の永世七冠達成し、18年には将棋界初の国民栄誉賞を受賞。23年6月から2年間、日本将棋連盟会長。プライベートでは96年に女優・畠田理恵と結婚。97年に長女、99年に次女が誕生している。

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