プロボクシングの前WBOアジアパシフィック&東洋太平洋ウエルター級王者・佐々木尽(24)=八王子中屋=が26日、都内で会見し、来年2月19日に東京・後楽園ホールで開催される「Lemino BOXING フェニックスバトル 149」での同級8回戦(対戦相手未定)で再起することを発表した。

 「日本人史上初のウエルター級世界王者になる男、佐々木尽です」。

恒例のあいさつから始まった会見で、佐々木は約30分間しゃべり続けた。

 6月19日、WBO世界同級タイトルマッチで王者ブライアン・ノーマン(米国)に5回KO負けを喫した。「今まではもらっても一発当てて倒してやるという気持ちでボクシングをしていたが、そういう気持ちじゃ世界は通用しないと感じた」とし、9月の練習再開以降は「攻撃する姿勢は自分のモットー。そこは軸に置いて、もらわないで手を出す、そんな試合を見せたい」とディフェンス技術向上に着手。加えて、全身を連動させるフィジカルトレーニングなどにも取り組み「体がぶれなくなった。脳と体の伝達が早くなって、自分が思ったように動けるようになった」と成果を感じているという。

 佐々木を下したノーマンは今月22日、デビン・ヘイニー(米国)に0―3の判定で敗れ、王座陥落した。「ノーマンに勝ってほしい気持ちだった」という佐々木だが、「(世界が)さらに厳しいっていう感覚よりも、燃えましたね、心が。ヘイニーとなら意外と、割といける、相性良いかもしれないって。相性ってあるじゃないですか、ボクシングって。恋愛と一緒で。ちょっとそういう感じがしましたね」と豪語。

最新のリング誌パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で10位にランクされた世界3階級制覇王者にも気後れすることなく「意外といける」と言ってのけた。

 10月には、東洋太平洋同級タイトルマッチ後のリングに上がり、初防衛に成功した王者・田中空(24)=大橋=に対戦を直訴した。

 来年2月の再起戦をクリアした後の再起2戦目で、田中との対戦も見据える。。佐々木は「丸い会場、というか…」と明言はしなかったが、5月に計画されている世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=と前WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=との東京ドーム決戦の前座に組み込まれる可能性も浮上した。

 「前回、世界戦で負けてしまいましたけど、自分自身は絶望していない。世界チャンピオンになりたいという野望、気持ちがひたすら強い。世界にチャンピオンになるまで、ボクシングを磨き上げていきたいと思います」

 完全復活を果たし、再びウエルター級世界王者への夢に向かって突き進む。

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