◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
「自分らしさ」とは何だろう?と考えることがある。ペン記者時代は他の記者の個性的な原稿を読んで、その人らしさを感じ、学んだ。
よく「内藤らしさを出して」と周りに言われるが、考えるほど深みにはまる。そんな時、今季限りで現役を引退した前巨人・近藤大亮投手の言葉が浮かんだ。3月のオープン戦で利き腕の右肩けん板を断裂。シーズンをほぼリハビリに費やした。毎日笑顔で同じメニューをこなし、ジャイアンツ球場を出るのは誰よりも遅かった。
自宅でテレビをつければ、仲間が1軍のマウンドで投げている。「僕が家におる時間に仕事してるわけじゃないですか。僕は仕事してないって、比べたらあかんけど、比べてしまう。その時が一番きついかもしれません」。仲間の活躍で悔しさも湧く。SNS上での情報は見ず、家族との時間で気を紛らわせた。
それでも「ないものにフィーチャーされがちだけど、今俺に何があるやろうって考えたら、ちょっとマシになります」と家族がいて、健康に生きていることを思い浮かべる。できることをやろうという考えが、引退試合での全力投球につながった。
他人の個性をうらやましく思うこともあるが、近藤は「その人になりたいかって、なりたくないじゃないですか。だから結果、そこにたどり着く」と教えてくれた。自分らしさを大切に、私は私の伝え方で選手の魅力を発信していこうと思う。(デジタル担当・内藤 菜月)
◆内藤 菜月(ないとう・なつき)2022年入社。DeNA担当などを経てデジタル編集部動画メディア課。










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