フジテレビ系情報番組「サン!シャイン」(月~金曜・午前8時14分)は27日、解散したグループ「TOKIO」の国分太一が「コンプライアンス上の問題行為」を理由にバラエティー番組から降板させた日本テレビの対応に瑕疵(かし)があったとし、日弁連に人権救済を申し立てた件について、司法記者クラブで会見したことを報じた。

 国分は会見で「番組降板を告げられてから5か月、本当に申し訳ないという思いと、自分に対して情けなく悔しい思いで過ごしていました。

置かれている状況や立場への自覚が足りなかった。長年立場と環境にあぐらをかいていた部分があった。みずからを客観的にみつめることができていませんでした。悔やんでも悔やみきれません」とした。

 6月に日テレからの聴き取りがあり、その場で番組降板の通知が行われたことに「さまざまな出来事に、私の心はついていけませんでした」と声を震わせた。

 30年間続いた日テレ系「ザ!鉄腕!DASH!!」(日曜・午後7時)降板とTOKIO解散など怒とうの事態に「数日間で全てを失いました」。一方で「私のとった行動がコンプライアンス違反なのか答え合わせもできない。後悔、孤立、絶望とネガティブな感情に押しつぶされ、自らをコントロールすることも難しかった」と振り返った。

 何度も反省の意を示し「日本テレビさんと対立したい気持ちはありません」とした一方で、日テレ側と協議ができていない状況に「こちらのお願いが何一つかなわず今日に至っている」と消化不良になっている気持ちも明かした。

 国分の会見での発言を受け、日本テレビは「会見で国分太一氏は『答え合わせがしたい』とおっしゃっていましたが、ヒアリングで国分氏自らお話しされた内容だけでもコンプライアンス違反に該当し、『青少年に見てもらいたい番組』に選定されている『ザ!鉄腕!DASH!!』を降板していただくことを即断せざるをえないものでした」と経緯を改めて説明。局として話し合いの場を設ける姿勢を示したが、現時点では「一貫して関係者の保護を第一に対応しており、何よりも関係者が自分の身元を特定され、“二次加害”がもたらされることに強い恐怖を感じております」とし、「その観点から『答え合わせ』は難しい」と回答した。

 MCを務める同局の佐々木恭子アナウンサーは、国分の会見と日本テレビの対応を受け「昨日の会見で少なくとも分かったなと思ったことは、それぞれに(国分に)コンプライアンス違反があったことは何も争ってなくて認めあっている」とし「で、日本テレビの対応としても被害者を守るという意味では当然だと思うんです。

詳細も言わない。事前にコンプライアンスのことでヒアリングしたいですってことも当然、言わないと思うんです」と指摘した。

 続けて「その瞬間に…例えば…例えばです、仮に国分さんがスタッフに電話をしたとか、なってもいけないので、被害者を守るという意味では当然だと思います」と明言し「ただ、国分さんの昨日の会見の中では、日本テレビの国分さんに対しての手続きの適正さっていうところを一点、透明性をあげてほしいと主張している。それゆえに人権救済を求めているということのみがわかったなと思うんです」とコメントし「どうなんでしょうか?」とゲスト解説者として出演した若狭勝弁護士に尋ねた。

 これに若狭弁護士は「確かにですね、何か処分をする際っていうのは、手続きの公正性が大事なんだと思うんです」とし「特に今回は突然の降板というかなり重い処分を受けてるわけですね。重い処分をする際にあたっては、どういうことがなされたから、こういう処分になるんですよという、いわば相関関係というか比例関係が必要なんです。ですから、このぐらいの程度しかやってないにもかかわらず、処分がすごい大きいと、違法の可能性が出てくるんです。バランスが保たれないといけないのが、処分する際のひとつの大きな尺度なんです」と解説した。

 続けて「そうすると、今回、降板という非常に重い処分を受けながら、じゃあ何をやった?コンプラ違反というだけじゃなくて、その中の中身としてどういうものがあるのか?と、ある程度、国分さんに告げないと、処分のバランスが彼の中では生まれてこない」とし「例えば刑事事件なんかに例えていうと、いきなり裁判所に呼んで話を被告人から聞いて、何が起訴されているか全然わからない。いきなり話を聞いた後にあなた懲役2年と言われるようなものなんです。犯罪であっても公正な手続きを踏んでやんなきゃいけないっていうのが社会のあり方なんで。それが犯罪とまでは言えないと日本テレビも言ってたわけですから。

にもかかわらず降板という重い処分をしながら、きちんとした、何が問題になっているかっていうのを本人にも告げないのはバランスを失する」と解説した。

 一方で「日本テレビ側に法律違反とか法的問題があるかというと、なかなかここが法律的に問題とは言えないんですけど、ただ法律的に違反しなくても、公正な手続きっていう点については、問題なしとはしないと、と私は思います」と解説した。

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