今季限りでの現役引退を表明しているJ2北海道コンサドーレ札幌MF深井一希(30)が、慣れ親しんだピッチで最後の練習を終えた。

 チームは27日、今季最終のホーム・愛媛戦(29日)へ、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場で非公開練習を行った。

フルメニューを消化した深井にとって2013年のプロ入りから過ごした宮の沢で練習するのは、この日がラスト。「リハビリが多かったですね。よく走ってたのを思い出しますね、きつい走りを」と思い返した。

 引退の要因となった計5度の両膝手術の影響で、その言葉通り、全体練習に加われない時期は長かった。それでも「復帰して活躍してと、高いところを目指してきてたので。もっと上を目指すことで乗り越えて来られた」と口にした。何度も立ち上がり続け、ついた異名は「不屈の男」。その生きざまに恥じない戦いを、愛媛戦で見せにいく。

 この日の紅白戦では主力組でプレーした。抱いた印象は「これじゃあ簡単には勝てないだろうなっていうのを肌で感じた」。今季はほぼ控え組として主力組と対じしてきたが、中に入って明確に課題を感じ取った。「もっと顔を出してサポートして選択肢を増やしてあげないと、ボール保持者はきつい。

何とかそこをやりたいとは思うけど、簡単にミスしたりっていうのがあまりにも多い」と苦言を呈した。

 12位低迷につながった、そんな不安定な戦いぶりをピッチ内から改善するために、練習後には柴田監督に「先発でいきたい」と直訴もした。「良くないプレーだったり悔しい負け方をすると、ずっと頭の中に残っちゃうタイプなので。それをラスト試合でやると取り返しようがないので。絶対に勝ちたい」と最後まで勝利にこだわっていく。

 膝の痛みは今もつきまとう。それでも最良のプレーを見せるために、痛み止めの注射を打ちながら調整を続けてきた。多くの来場が予想されるラストマッチへ「できるところまで、何とか元気な姿を見せられるように頑張りたい」。公式戦通算230試合目、深井がサッカー選手としての人生に、別れを告げる。

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