大相撲九州場所で初優勝し、大関に昇進したウクライナ出身の安青錦(21)=安治川=が29日、看板力士“初仕事”で平和を祈った。長崎市の平和公園を訪れ、日本相撲協会による「平和の献花式典」に参列。

献花の際には横綱・豊昇龍(26)=立浪=、大関・琴桜(28)=佐渡ケ嶽=らと深くお辞儀した。頭を上げたのは協会関係者7人の中で一番最後。母国は現在、戦禍にあり「平和が一番大切。世界中が平和になったら良いなと思う」と実感を込めた。

 献花前には長崎原爆資料館の館長から青空の下、長崎に原爆が落とされた80年前の写真などを見ながら説明を受けた。安青錦は22年に母国がロシアから侵攻を受け、相撲が続けられなくなって関大相撲部に所属していた山中新大さん(26)を頼りに来日。だからこそ、長崎の被爆について学ぶと「すごく大変なこと。こういうことは二度とないように」と言葉は熱を帯びた。

 看板力士となったからこそ実現した平和活動。初仕事では周囲から「大関」と声をかけられたが、「やることは変わらない」と足元を見つめる。30日から諫早市で始まる冬巡業では相撲を出来る喜びを感じつつ、土俵に上がる。(山田 豊)

 ◆主な新大関の初仕事

 ▽大の里(24年9月) 中、高時代を過ごした新潟・糸魚川市役所を表敬訪問。

 ▽琴ノ若(現・琴桜、24年2月) 三重・鈴鹿市の椿大神社で豆まき。95投した。

 ▽霧島(23年6月) 兄弟子だった鶴竜親方(元横綱、現・音羽山親方)の断髪式に参加。

 ▽栃ノ心(18年5月) ラグビー日本代表と母国・ジョージア代表戦のPR動画を春日野部屋で撮影。

 ▽琴奨菊(11年10月) 浅草寺での「赤い羽根共同募金運動」に人気子役だった芦田愛菜(当時7歳)と参加。

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