サッカーJ1東京Vが30日、ホーム最終戦で鹿島と対戦する。

 東京Vにとっては既にJ1残留を決めているが、首位・鹿島は勝利すれば優勝の可能性があり、ホーム最終戦は注目度の高い一戦となる。

3週間の中断期間を経ての戦いに向けて、城福浩監督は「たくさんアプローチしてきました。話しだけではなく、ミーティングの映像のチョイスから紅白戦の直前の集めるところから、あらゆるところで我々が今できる意識を上げることはやってきたつもり」と、引き締まった表情で口にした。

 試合2日前の時点で約3万7000人の来場者が見込まれており、国立で開催した開幕・清水戦の5万2541人に続き、味スタホームでは今季最多入場者数になる見通し。そうした大一番は若いチームの成長を最後まで促す上で貴重な機会になる。指揮官は「どんな相手であろうが、消化試合は存在しない。それが優勝が懸かっている試合になれば、我々が何かを試すというよりも、今持てる力のすべてを出さなければ、勝負にならないと思う。選手個人としても今年のチームの価値としても、しっかりと保つか上げるような、そんな試合の位置づけになると思います」と強調する。

 ただ、J1復帰初年度の昨季は6位と大躍進を遂げ、今季はカップ戦を含めた「タイトル獲得」を野心的な目標として掲げてきたこともあり、城福監督は、また違った観点からこの一戦を戦う意味を捉えている。

 「目の前で優勝させない、阻止するというのはいい経験かもしれないし、ひょっとしたら目の前で優勝される悔しさを味わうこともいい経験かもしれないけれども…今の鹿島側のメンタリティーで試合を迎えることを一番彼らに経験させてやりたいし、それがリーグ戦、カップ戦含めて、彼らとそういう景色、空気感で試合の準備をしていくことを今年やらせられなかった無念さがある。それも含めて全てを90分にぶつけたいなと思います」

 苦しみの方が多かったJ1復帰2年目も残り2試合。「本当にこのメンバーで、もっと違うものを見せたかったという思いと、あと2試合何を見せられるか。そこは本当に彼らと共に何を取り組んできたかをしっかり皆さんに見てもらえる試合にしたいなと思います」。

開幕2節の敵地での対戦では0―4の大敗。あの時以上の気迫で向かってくる鹿島に勝つことで、東京Vが示すことが出来る価値がある。相手を上回る勝利への執念を見せ、ピッチ上で戦い抜き、勝ち点3を手にする。

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