◆プロボクシング ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級4位・桑原拓 ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者・ノニト・ドネア ▽WBA・WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・高見亨介―WBO王者・レネ・サンティアゴ(12月17日、東京・両国国技館)

 WBO世界フライ級王者アンソニー・オラスクアガ(26)=米国、帝拳=が4日、WBO世界同級4位の桑原拓(30)=大橋=との4度目の防衛戦へ向けて羽田空港着の航空機で来日。「ハードなトレーニングをしてきた。

12ラウンドを戦い抜くだけの準備ができた」と順調な調整をアピールした。

 当初は同級13位・飯村樹輝弥(27)=角海老宝石=の挑戦を受ける予定だったが、飯村の負傷により挑戦者が桑原に変更となった。桑原の印象について「とてもスピードがあり、ボクシングも上手で賢い、いい選手」と語ると、「彼はすごく大きなチャンスを得たと思って全力で来ると思う。それを受けるためにも自分も同じように全力で戦いたい」と意気込んだ。

 試合約1か月前の対戦相手の変更については「難しいことは特になかった。戦略も、自分が勝つことを目的としているので内容は変わらない」と強調。「こうやって準備を整えているトニー(オラスクアガの愛称)っていうのはやはり怖い。相手は誰であれ、最終的には勝つのは自分だと思っている」と自信を口にした。

 米ロサンゼルスで、盟友の前WBC&IBF世界バンタム級王者・中谷潤人(27)=M・T=とともにハードなトレーニングを積んできた。「最高でした。中谷選手とのトレーニングはいつも最高だが、やはりトップの2人が一緒になると、そこで生まれる新たな強さというものがあると思った」と手応え。中谷も27日にサウジアラビア・リヤドでWBC世界同級9位セバスチャン・エルナンデス(25)=メキシコ=とのスーパーバンタム級初戦を控えており「普段のトレーニングではなく、トレーニングキャンプを一緒にできるのは久しぶりだった。

自分が彼を押し上げるためのお手伝いをすると、彼もやってくれる。お互いが伸ばし合えたと思う。家族が再会するような、すごく楽しい時間にもなった。いつも心強い」と笑顔で話した。

 今回4度目の防衛を果たせば、WBO王座を5度防衛すれば贈られるリング(記念指輪)にも“王手”となる。「もちろん(欲しい)。これで勝つと4回目。もう1回防衛できればリングが手に入る。今の自分にとっての最優先事項は、リングの獲得です」と目を輝かせた。まずは4度目の防衛戦。「残業代はいただかないので。早く終わるに越したことはないが」とジョークを飛ばし、「どういう展開になっても大丈夫な準備をしてきた。

早いラウンドで終わるなら早く、12ラウンドならば12ラウンドをしっかりと戦い抜いて勝ちたい」と勝利を誓った。

 オラスクアガは、23年4月にWBA&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)に挑むも9回TKO負け。24年7月のWBO世界フライ級王座決定戦で加納陸(大成)を3回KOで下して世界王座を獲得した。今年3月のV2戦では京口紘人(ワタナベ)に判定勝ち。9月にファン・カルロス・カマチョ(プエルトリコ)を2回TKOで下し、3度目の防衛に成功している。

 戦績はオラスクアガが10勝(7KO)1敗、桑原拓が14勝(9KO)2敗。

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