出場機会に恵まれない選手を他球団が獲得する第4回「現役ドラフト」が9日、非公開でオンライン開催され、ソフトバンク・佐藤直樹外野手(27)が楽天に移籍した。休日ゴルフのラウンド中に球団から携帯電話に着信を受け、ゴルフウェアのまま球団事務所へ。

ドタバタ劇にも新天地での活躍を誓った。

 今年の現ドラの目玉となったソフトバンク・佐藤直は、スーツに着替える時間も惜しみ球団事務所に駆けつけた。休日ゴルフの最中、携帯電話に着信が入ったのが残り4ホール。「終わってから連絡するように」と言われたが、「結構、たたいた。多分、現ドラかなと思ったので、とりあえず早く終わらせようと適当に」。気が気でないままプレーを終えると、ゴルフウェアのまま、みずほペイペイドームに車で直行した。

 常勝軍団の分厚い戦力に阻まれ、レギュラーは奪えなかったが、走攻守の3拍子がそろう外野手だ。JR西日本から19年ドラフト1位で入団。23年オフに育成契約となったが、24年6月に支配下に復帰した。今季は自己最多の104試合に出場し、打率2割3分9厘、5本塁打、18打点で日本一に貢献した。このオフの自主トレでは山川に弟子入り。「バケモノになれる」と激励され、飛距離が伸びたことを実感していた。

 ソフトバンクからの現ドラ移籍選手は、第1回の阪神・大竹、第2回の日本ハム・水谷がブレイク。「レベルの高いところで6年間できたのはすごい財産にもなった。(楽天で)レギュラー取って、意味分からんぐらい打ちまくりたい」と、27歳も今度は俺の番とばかりに息巻いた。「環境が変われば出るチャンスも増えるだろうし、思い切ってやってほしい」と、米ハワイV旅行に出発した小久保監督も親心。ホークスブランドの価値がさらに高まる可能性は十分にある。(島尾 浩一郎)

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