歌舞伎俳優の尾上右近(33)が10日、都内で東京・歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」(1月2~25日)昼の部「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」の取材会を行った。

 右近は変化舞踊として人気の高い同演目に初役で出演。

女郎蜘蛛の精、女童、薬売り、番頭新造、太鼓持、座頭、傾城、平井保昌の計8役を早替わりで勤める。

「(市川)猿之助さんが(市川)亀治郎時代から演じておられた早替わりが好きで」とかねてよりやってみたかったことを説明。「やりたい放題の印象を与えるかもしれないが、テンポが良くてコクのある演目。確実に楽しんでもらえる。エネルギーをさく裂させて歌舞伎座を縦横無尽に走り回る。これを楽しんでもらえなければ歌舞伎俳優をやめようかと思うくらいです」とやる気満々に語った。

 近年の活躍は目覚ましく、3年連続で歌舞伎座の1月に大役での登場となる。「以前は“テンパリ症”でしたが、最近はそうでなくなった」と自身も経験を積むにつれ、成長を感じている様子。その一方で今年を振り返り「もっと有名になりたかった」と現状に満足する気持ちはない。

 またこの日、来年1月スタートの仲野太賀主演、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜、後8時)で右近が室町幕府最後の将軍、足利義昭を演じることも発表された。

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