歌手で俳優の福山雅治と、B'zの稲葉浩志による「映画ラストマン -FIRST LOVE-」(24日公開、平野俊一監督)の主題歌「木星 feat. 稲葉浩志」(24日配信)の詳細が10日、明らかになった。福山が作曲・編曲とプロデュース、稲葉が作詞を担当。

音楽界の“最強バディ”による最高のラブソングが誕生した。

 今年1月、プロデューサーから主題歌のオファーを受けた福山は「護道さんと難事件を解決してきた皆実さんを心に宿しながら、音楽で最強バディを組ませていただくとしたら?」と思いを巡らせた。同映画は全盲のFBI捜査官・皆実(福山)と孤高の刑事・護道(大泉洋)がバディを組み、新たな難事件に挑むストーリーだが「日本が生んだ史上最高のロックボーカリストの稲葉浩志さんしか考えられない、という厚かましい一択と、揺るぎない直感」でラブコールすると決めた。

 2人は共に格闘技好きで、2014年に稲葉の公式サイト「en-zine(エンジン)の企画「UFC対談」で共演、20年には福山のデビュー30周年企画でYouTube対談が実現するなど親交を深めてきた。福山から直接依頼することもできたが、「稲葉さんが断りづらい流れになってしまってはいけない」と「正規ルート」のレコード会社を通じて申し入れた。

 その稲葉は「面白いプロジェクトですね」と快諾。仮編集された映画の映像を見て世界観をくみ取り、福山のメロディーに歌詞をのせる形で楽曲制作を始めた。レコーディングスタジオでは福山のアコースティックギターに合わせ、楽曲キーを探る貴重なセッションが実現。多忙の中、データのやりとりや詞の世界観の共有といった綿密な作業を重ねた。

 福山は「今作は、映画の核心を射抜く歌詞、力強くも深い包容力のある歌唱が刻まれています。稲葉さんの表現に導かれたレコーディングは『創造のツボ押し』状態でした」と大興奮。「自分一人では生まれ得ないメロディー、転調、編曲、ジャケット、MV、様々なアイデアが湧いて、湧いて仕方なかったです。

永遠に終わりたくなかった稲葉さんとの創造が終わり、楽曲をお届けできることがうれしくもあり、同時に寂しくもあります。この曲が、皆さまの『心を照らす光』となることを願います」とコメントした。

 稲葉は「福山さんと音楽をやる歓(よろこ)びを感じながら、怒とうの勢いでやりとりし、完成までの道のりを楽しませていただきました。なんと贅沢(ぜいたく)な時間だったでしょう。我々の想(おも)いが詰まった『木星』が、ラストマンの世界を優しく彩ってくれることを祈っております」と願った。ファンにはたまらないクリスマスプレゼントになりそうだ。

 〇…福山は、B'zが今月6、7日に行った東京ドーム公演を観賞。「どの瞬間も全身全霊で歌い、オーディエンスの本能を刺激し続ける姿を目にし、オファーをしたことにひっそりとビビっている自分がいました」と驚きを口に。「大胆なオファーができたのは、僕の中の皆実さんが『稲葉さんにお願いしてみましょう!』と突っ走ったから」と振り返った。

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