歌手の松山千春が12日、東京・東京国際フォーラムで全国ツアー(20会場20公演)の東京公演を開催した。会場には満員となる約5000人が集結。

松山は「1曲1曲勝負します」と呼び掛け、持ち前の伸びやかな声で「大空と大地の中で」などを歌唱した。

 MCでは、おなじみの時事問題トークも展開し、「高市総理は好きですよ。ただ、あの笑顔にはついていけません」とチクリ。「なんであの人はあんな笑うんだ?その前の石破さんが笑わなかったからか?たまらんですよ」とぼやいた。

 16日には70歳の誕生日を迎える。客席から祝福の拍手が送られたが「米寿になろうが90歳になろうが100歳になろうが、歌える力があるなら、生きているなら歌を歌い続けていきたいと思っております」と生涯現役を宣言。「髪の毛がこんな状態ですから、あとは歯が抜けるのを待つだけです」と笑いを誘った。

 人生を振り返りながら自身の名前「千春」にも言及し「どれほど親を恨んだことか」と告白。「(学校の)名簿には必ず女の方に入ってる。先生に『松山千春“さん”』と呼ばれたら、立って『俺は男なんですよ』と。ずっと『千春さん』で女性に入ってたもんな。情けなかったりもしたけどね」と明かした。

 それでも、幼少期時代を思い浮かべながら「いくら貧乏でも幸せでした」と胸を張る。「家がボロいですから雪が入ってきます。朝起きたら雪玉が入ってくることもあります。親に『千春、水道管凍っちゃったから役場に行って水もらってきて』と言われて、水を運ぶ。そんな日々が自分にとっては宝のような毎日でした」と回想した。

 松山は「皆さんはどのような生活をなさってるか分かりませんが、一人ひとり全部違う人生を歩んでいきます」と語りかけた。「あなたしか歩くことができない人生ですから、何があっても笑っても泣いても一歩でも半歩でも前へ進んでいってください。どうかあなたらしい人生を全うしてください」と願いを込めた。

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