12日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜・後9時54分)では、議員定数削減法案の審議入りの見通しが立たず、17日に会期末を迎える今国会での成立が困難な状況になったことを報じた。

 この日の番組では、維新の吉村洋文代表が「決めない国会、まっぴらご免です。

会期延長してでも結論を出すべきだと思います」と怒りをあらわにした会見映像も紹介。キャスターの大越健介氏は「臨時国会会期末まで残り5日ということで、これはどう見てもですね。会期内での成立は難しいと思うんですよね」と話し出すと「そもそも高市総理はどこまで、この法案の成立に本気なのか?」と問いかけた。

 この言葉に同局政治部官邸キャップの千々石森生氏は「高市総理は本気なんだと思います。2か月前の連立で電撃的に合意しました。あの時は双方から熱量が高いという言葉が飛び交いました。一方で時が経って2週間前の党首討論では、高市総理、野田代表に『そんなことより定数削減をやりましょう』と呼びかけたシーンがありました。高市さんとしては、いかに定数削減が重要かが分かってる。でも、国会では遅々として進まない。焦りというか必死さが、このシーンではにじんでいたと思います。一方で引いて見る、自民党全体の大勢は冷ややかでした。わずか2か月でできるわけないじゃないかと、連立にすきま風も吹き始めています」と説明。

 この言葉を受け、大越氏は「とはいえ、維新にとっては定数削減は一丁目一番地ということで、これの成立のめどが立たないということになってきますと、連立が揺らぐと言いますか、場合によっては壊れるということに発展しませんか?」と問いかけ。

 千々石氏が「取材の中で維新の幹部が自民党との成田離婚も覚悟したんだと吐露する場面もあった。少なくとも法案の提出まではこぎつけたんですけど、中身を詰める水面下の協議の中で自民党の本気が見えてこないと、連立がきしむ局面もあったようなんです。始まったばかりですけど、危機感も既に漂っている」と伝えると大越氏は「議員定数の削減というのは急がば回れというテーマなんじゃないかと私は(思う)。ですから、勢いが大事とばかりに急いで進めて野党の離反をさらなる離反を招くよりも議論をちゃんと尽くして、それこそ身を切る改革というのを目指してほしいなと思います」と発言。

 「一方で、そろそろ決着をつけてほしいのが政治資金の問題ですよね。与野党が歩み寄る姿というのを、もうそろそろ見せてもらわないと困ります。この問題、いつまでも引きずっていたら、それこそ政治は前に進みません」と厳しい表情で話していた。

編集部おすすめ