東京都は13日までに、都内で3回目となる2025年度「令痴漢被害実態把握調査」の結果を公表した。

 直近1年間に痴漢被害に遭った人は13.5%に上り、依然として深刻な状況が続いているものの、周囲の目撃者が介入することで9割以上の事案で被害が止まっている実態が明らかになった。

調査は今年8月、1都3県の16~69歳の男女約1万2000人を対象にウェブで実施。その結果、被害に遭った時間帯は「朝の通勤・通学時間帯」が63.5%と最多で、時期としては新学期や新年度に集中していた。

 第三者の行動による抑止効果が突出していた。電車内で被害を目撃した人のうち77.3%が何らかの行動を起こしており、その場合、94.7%の割合で痴漢行為が止まったという。一方で、被害者の37.9%が「我慢した・何もできなかった」と回答し、45%が被害直後に誰にも連絡していないなど、被害者が声を上げにくい現状も浮き彫りとなった。

 都は今回の結果を受け、被害時の相談先や対策の基礎知識をまとめた「痴漢撲滅プロジェクト」のホームページを開設。「被害に遭った際のシミュレーション機能などを活用してほしい」と呼びかけている。

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