映画監督の原田眞人(はらだ・まさと)さんが8日に亡くなったことが13日、分かった。76歳だった。

業務提携していた芸能事務所「つばさプロジェクト」の公式サイトで正式に発表された。

 「映画監督 原田眞人 訃報のお知らせ」と題した文書を掲載。「このたび、映画監督・脚本家・プロデューサー・小説家・俳優・映画評論家として長年にわたり日本映画界の第一線で活動し、数々の作品を世に送り出してまいりました、弊社業務提携・原田眞人(はらだ・まさと) が、2025年12月8日(月)午前0時39分 都内病院にて永眠いたしました。(享年76歳)」と伝えた。

 「なお、故人の遺志により、葬儀は近親者のみにて執り行う予定であり、詳細は未定ですが後日に『お別れの会』を開催致す所存でおります。(喪主:妻 原田瑞穂 はらだみずほ)」という。「ここに生前のご厚情に深く感謝申し上げるとともに、謹んでご報告申し上げます」とつづられた。

 原田さんは静岡県沼津市で生まれ、5歳の時に沼津セントラル劇場で「山河遥かなり」を見て映画好きになった。小学生時代は東映時代劇のファンで大川橋蔵さんがお気に入りだった。73年から米国ロサンゼルスを拠点に映画評論活動を始め、76年にジャーナリストの福田みずほさんと結婚し、1男1女をもうけた。長男は俳優の原田遊人

 79年に「さらば映画の友よ インディアンサマー」で監督デビュー。

95年の「KAMIKAZE TAXI」は海外でも高い評価を受け、「バウンス ko GALS」で報知映画賞監督賞を受賞。「金融腐蝕列島・呪縛」「突入せよ! あさま山荘事件」など重厚な社会派作品から「伝染歌」、「魍魎の匣」などエンターテインメント性の高い作品も手掛ける。トム・クルーズ主演の「ラスト サムライ」で俳優としてハリウッドデビューした。

 日航ジャンボ機墜落事件を追う新聞記者の奮闘を描いた「クライマーズ・ハイ」は2008年の日本アカデミー賞で優秀賞10部門受賞。「わが母の記」(2012年公開)はモントリオール映画祭で審査員特別グランプリ。日本アカデミー賞では12部門で優秀賞を受賞。2015年公開の「日本のいちばん長い日」でブルーリボン賞作品賞に輝いた。

 その後も「関ヶ原」(17年)、「検察側の罪人」(18年)、「燃えよ剣」(21年)、「ヘルドッグス」(22年)、「バッド・ランズ」(23年)など話題作を発表していた。

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