◆プロボクシング ▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 4団体統一王者・井上尚弥―WBC同級2位アラン・ピカソ(12月27日 サウジアラビア・リヤド、モハメド・アブドゥー・アリーナ)

 27日にサウジアラビア・リヤドで行われる「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」に参戦する世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が13日、横浜市内の所属ジムで練習を公開。シャドーボクシング、11月24日のWBC世界バンタム級王座決定戦で那須川天心(26)=帝拳=に勝利し王座に返り咲いた弟の拓真とのマスボクシング、ミット打ちを1ラウンドずつ披露した。

 井上は、WBC同級2位アラン・ピカソ(25)=メキシコ=とのサウジアラビアでの防衛戦へ向け「いつも通り、精神的にも肉体的にもすごく仕上がっていて、待ち遠しい。初めての地で調整をするという新鮮な気持ちで臨めるので、早くサウジアラビアに行きたい」と笑顔で話した。

 ピカソとは当初、5月に米ラスベガスで対戦する予定だったが、ピカソ陣営が対戦を辞退した経緯がある。「自分の距離で戦いながら、ピカソの距離でもしっかりと戦える準備というものはしている。ダラダラ打ち合うのではなく、メリハリよく戦いたいなと思っている」と試合展開のイメージを語り、「毎試合KOは頭に入れているが、前回(9月のムロジョン・アフマダリエフ戦)はそれを外して、ここ数年では珍しく判定勝利を考えて試合に挑んだ。今回はしっかりとKOを狙って、それを実行したい」と2戦ぶりのKO勝利を予告した。

 サウジでは、来年5月に東京ドームで対戦が計画されている世界3階級制覇王者・中谷潤人(27)=M・T=と初めて同じリングに上がる。井上は「そこは自分は一切気にせず、(自身が)しっかりと勝つというところだけを目指したい」と強調しながらも、「ファンの方はやっぱり来年5月の試合をイメージして、試合内容で『どっちが強い』『どっちが勝つ』という楽しみもあると思う。そういう見方もしてもらえたら、盛り上がる日になるんじゃないか」と話した。

 また、井上、中谷以外も、前WBA&WBC世界フライ級統一王者・寺地拳四朗(33)=BMB=、WBA世界スーパーフェザー級3位の堤駿斗(26)=志成=、アマ10冠の前日本ライト級王者・今永虎雅(26)=大橋=、アマ9冠のWBA世界フェザー級13位・堤麗斗(23)=志成=が同興行に参戦する。「27日、日本人トップ選手が勢ぞろいするので、すごくレベルの高い技術を見せられるんじゃないかなと思う。全選手含め、世界にしっかりとアピールできるんじゃないかなと思います」。

サウジのリングから、世界に日本のボクシングをアピールする。

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