◆ノルディックスキー・名寄ピヤシリジャンプ大会 (13日、名寄・ピヤシリシャンツェ=ヒルサイズ100メートル、K点90メートル)

 女子は、今年4月に女子選手として初めて雪印メグミルクに入社した一戸くる実(21)が、1、2回目ともにトップの飛距離をマークし、3年ぶりの頂点に立った。男子は、栗田力樹(27)=COOTS SC=が初優勝。

余市町出身の藤田慎之介(25)=Farm Fujita=が道勢最高の2位に入った。男女ともW杯メンバーは不在で、葛西紀明(53)=土屋ホーム=らはW杯下部のコンチネンタル杯出場のため欧州に遠征している。

 W杯組が不在の中、一戸が格の違いを見せつけた。2位に6点差をつけて迎えた2回目。89・5メートルの飛躍に「2本とも公式練習の方が良かった」と振り返りながらも、23・5点に差を広げて完勝。「優勝はどの試合でも、どのジャンプ台でもうれしい」とはにかんだ。

 今年4月に名門・雪印メグミルクに加入。来年のミラノ・コルティナ五輪出場も期待されていたが、11月の全日本選手権ラージヒルで3位に終わり、W杯開幕メンバー入りを逃した。「1週間ぐらい泣いて、落ち込みましたね」。同時に最大4枠の五輪代表入りも遠のいた。

 それでも、チームの伊東大貴監督らから励まされ、次の目標に向かって立ち直った。来年2月の五輪出場は絶望的な状況だが、将来的に日本女子のエースを担える存在であることに変わりない。

5年後の冬季五輪はもちろん、来年1月の国内W杯、来季の世界選手権に照準を定めており、「私もW杯で通用するんだぞというのを成績で出したい。(来季以降に向けて)今からがもうすごく大事」。期待のホープが“再起戦”圧勝で、未来への一歩を踏み出した。(島山 知房)

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