カンテレの橋本和花子アナウンサーが、入社5年目で初挑戦したCS放送「J SPORTS」でのオリックス戦実況を振り返った。6月29日の楽天戦と8月3日の日本ハム戦(ともに京セラドーム大阪)で、同局68年の歴史で初の女性アナによるプロ野球実況。

「多くの女性が実況する世の中になっていけば」と思いをはせ、来季以降のさらなる飛躍を誓った。(取材・構成=武田 泰淳、南部 俊太)

 ―入社前から、野球実況が夢だった。

 「幼少期から野球ファンで、前のめりでテレビ中継を見ていました。当時は父の影響で巨人ファン。大好きな野球に仕事で携われたらどんなに楽しいだろうか…と就職活動から思っていました。『女性だけど、プロ野球実況がやりたいです』と言った時に一番、好意的に受け止めてくれたカンテレへの入社を決めました」

 ―記念すべき6月の“デビュー戦”は西川、宗がオリックスとしては初の初回先頭から2者連続本塁打。

 「すごい場面に巡り合え、そこに声を添えられたうれしさがありました。多くの人に『持ってるね』と言っていただいた。そういうご縁を引き当てられて、良かった…と思いますね」

 ―野球実況の「女性の声」に対する周囲の反応は。

 「長年の夢だったので、話題づくりと言われることだけは避けたかった。批判は覚悟の上で挑戦しているので、どこに拒否反応を感じられたのかを知りたく、片っ端からエゴサーチをしました。『なんで女やねん』みたいなコメントもやっぱりあって…。

それでも『最初は違和感があったけど、聞いているとなじんできたし、いいんじゃない?』とプラスの意見も多くいただいた。準備や取材に関し、認めてくださったファンの方が想像以上に多く、ほっとした部分もあります」

 ―自身の活躍を見て、野球実況を目指す女性が増える可能性も。

 「そうなれば本当に、それ以上にうれしいことはないです。野球に限らず、多くの女性が実況する世の中になっていけば、私としてもギアが上がって『頑張ろう!』と思える。準備期間を振り返ると、達成感と同じくらい悔しさ、課題もありました。そこを潰したいので、早く来シーズンが来てほしいです(笑)」

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