巨人・杉内俊哉投手チーフコーチ(45)が13日、Gタウンで「GIANTS HOMETOWN fes 2025」のトークショーに出演し、先発4枚看板の出現に期待した。今季、チームで2ケタ勝利を挙げたのは11勝の山崎だけ。

来季2年ぶりV奪回に向け「1年間計算できるピッチャーが4枚欲しい」とカギを挙げた。若手投手陣の切磋琢磨(せっさたくま)にも期待し、最後に日本一となった2012年以来の「2ケタ勝利カルテット」誕生を理想に掲げた。

 気温7度と寒空の下、杉内コーチが先発再建への強い覚悟をにじませた。今季は山崎がエース格として11勝するも、戸郷が8勝(1勝は救援勝利)、赤星が6勝、井上が4勝、田中将と森田が3勝。「(開幕前は)先発がいっぱいいるなと思ったけど、やっぱり年間1軍で回るのは厳しいし難しい。1年間計算できる投手が4枚欲しいね。固定して4枚」と明確に語った。

 常勝軍団を築くため、安定した4人の先発が必要と考えている。現役時に実働14年で142勝した同コーチ。「強い時って、4枚いた」と自身の経験から証言した。18勝で沢村賞に輝いた05年はソフトバンクで斉藤(16勝)、和田(12勝)、新垣(10勝)と10勝カルテットを形成。巨人移籍後の12年は自身が12勝し、内海(15勝)、ホールトン(12勝)、沢村(10勝)との4本柱で日本一へと導いた。

 今季、日本シリーズを制したホークスも有原、大関、モイネロ、上沢と10勝投手4人の活躍がVの原動力に。巨人で2ケタ勝利が4人出たのは12年が最後で「求めたくなるよね、勝つんだったら。もちろん我々の責任もあるけど、やるのは選手。何とか尻をたたいてやってもらうしかない。(安定していたのは最後)伊織だけだった」と山崎に続く柱の台頭を求めた。

 リーグ3位に終わった今季は先発不足に苦しみ、リーグ最悪の平均投球回5・4。完投数も2だった。現状打開へ今オフはドラフト1位で鷺宮製作所の竹丸、3位で亜大の山城を指名。前日本ハムの北浦、松浦の両大型左腕を獲得し、201センチ右腕のウィットリーや最速160キロ右腕のマタも本格調査中と積極補強を進める。同コーチは「競争できるって素晴らしいこと」と新戦力を歓迎した上で「生え抜きの選手が頑張らないと」とハッパをかけた。

 戸郷と同様に生え抜きで奮起を促した一人が、24年に8勝した井上。「温大には頑張ってほしいし、何とか森田とか赤星、(西舘)勇陽とかその辺が出てくるといい」と殻を破る姿に期待している。

秋季キャンプでは地獄の走り込みと投げ込みに挑んだ投手陣。「結果を出した者が1軍に残る。ベテラン若手、右左関係なく戦力になる選手を選びたい」。強じんな「4枚」の出現を願った。(堀内 啓太)

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