JRA海外馬券発売対象の「香港国際競走」(14日、シャティン競馬場)のG1・4競走で、香港出張中の浅子祐貴記者が香港のユ・カチュン記者に直撃した。地元メディアから見る展望や、日本馬の評価についてたっぷり聞いた。

 【4R・香港ヴァーズ・G1(芝2400メートル)】

 実力としては僅差ですが、ここは欧州勢が強いのではないかという見立てが多い。ただ、日本馬は速い時計への適性があるので、その点でアーバンシックは欧州勢より分がありますよね。ただ、レース前日に雨が降る予報もあり。そうなれば馬場的には若干、欧州勢に向く。

 【5R・香港スプリント・G1(芝1200メートル)】

 カーインライジングのヘイズ調教師が「負かすことができるとすれば1000メートルでサイレントウィットネスと戦った時くらいだろう」と言うくらいで、過去の名スプリンター・サイレントウィットネス、セイクリッドキングダムをはるかにしのぐと、どの調教師も言うくらいにウィークポイントがない。前人未到、前馬未到の域に達していると思います。

 サトノレーヴは日本で一番強いスプリンターなので相手では外せない。面白いのはトモダチココロエ。10月にG2勝ちをした内容を考えると、好位から運ぶことができれば、上位に食い込む可能性はあると思います。スプリンターズSは中山で観戦したのですが、ウインカーネリアンはテンのスピードが速い。8歳でこの成績を出していることをリスペクトしたいですし、ジョッキーとの絆がすごく印象に残っています。

 【7R・香港マイル・G1(芝1600メートル)】

 ソウルラッシュとギャラクシーパッチが首位候補。

ラストランのソウルラッシュは実績がありますし、クリスチャン・デムーロ騎手と手が合います。ギャラクシーパッチも調子はいいです。逆に少し奮わないのがヴォイッジバブル。もしかしたらピークを過ぎているのかもしれません。前哨戦を叩いたマイウィッシュも馬券圏内ならあってもいいですね。エンブロイダリーはアドマイヤマーズ産駒なのでマイルは間違いなく合いますが、3歳牝馬の初海外がどう出るかでしょう。

 【8R・香港カップ・G1(芝2000メートル)】

 ロマンチックウォリアーは手術や年齢を考えると一歩下がったかなという印象はありますが、持って生まれたものが桁違いです。それを考えると気にすることはなさそうで、4連覇が見えています。ベラジオオペラは大阪杯連覇の実績、調教を見ていても状態が良さそう。ロマンチックウォリアーを抜かした中で考えるとこの馬になります。ローシャムパークに関しては、どんなレース運びもできるので、どう動くかが気になります。早めに前に行くことがあれば面白いですね。

香港馬に関しては一枚落ちるメンバー。欧州馬も時計面では落ちるので、最初に挙げた3頭の上位争いになるのではないでしょうか。

 

 馬場については、今年はレコードが連発する高速馬場だったが、現在は寒さに強いとされるウインターグラスが生育し、少し軟らかめ。ユ記者は「カーインライジングでもレコードを出すのは難しいと思います」と分析。実際に芝コースに入った浅子記者も「函館の洋芝に近いイメージを持った」と話した。

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